不動産トピックス

クローズアップ ビルシステム編

2014.07.07 11:33

 テナントビルを運営管理するためには、さまざまな便利なシステムがある。その内容も、設備やセキュリティなどバラエティ豊富で、管理運営の利便性の向上のみならず、なかには省エネ・節電につながるものもある。また、対象を中小ビルに絞った製品や、システム運営によって発生する煩雑な手間を省くためのサポートサービスを用意している製品などもあり、それぞれが差別化を行っており興味深い。

 三菱電機(東京都千代田区)は、ビル設備オープン統合システム「Facima BA-system(ファシーマビーエーシステム)」を販売展開している。
 「Facima BA-system」は、ビルの空調、照明や入退室などの各設備を監視・制御するビルオートメーションシステムで、「BACnet」などオープン化システムにも対応しているので、どのメーカーの設備にも接続が可能。
 三菱電機では、中小規模ビル向けの製品として、「Facima BA-system touch(タッチ)」を販売している。
 「Facima BA-system touch」は、液晶タッチパネルで簡単操作が可能で、コンパクトな壁掛けタイプとなっているので、設置スペースに成約がある中小ビルでも設置可能。また、パソコンによる卓上監視も可能である。
 「Facima BA-system」と同様に、各設備のエネルギー使用量のグラフ表示や設定など空調設備の細かい制御や、デマンド制御が可能である。
 そのようななか、今まで以上に細かい設備の監視や制御というニーズが出てくる。しかしながら、中小ビルにおいては管理パソコンを置くスペースを取ることが難しく、省スペースで設置できるビル管理システムが求められている。
 「Facima BA-system touch」は、中小ビルにおける消費電力比率が高い空調設備の管理機能の強化をはじめ、各設備の細かな監視・制御に貢献するものとなる。


 セキュリティの老舗であるクマヒラ(東京都中央区)は、セキュリティ機器の製造販売を展開するなか、セキュリティシステム「GGシリーズ」を提供している。
 「GGシリーズ」は平成12年に提供をスタートし、ハイスペックな入退室管理を実現するために、入退室管理システムや監視カメラシステム、セキュリティゲート、鍵管理システムなどを一括運用できるシステムを構築したもの。同シリーズは、現在「GG-2」までリリースされており、「運用自在型パッケージ」、「長期継続運用」というコンセプトのもと互換性を保った製品開発を続け、長く愛されるセキュリティシステムづくりに挑み続けている。
 今月1日からクマヒラでは「GGシリーズ」の管理・運用をサポートする「セキュリティシステム運用サービス」を提供開始した。常時稼働し続けるセキュリティシステムの管理が利用者にとって大きな負担となっている点を解消することが目的で、利用者拠点とクマヒラコールセンターを専用ネットワークで結び、システム運用そのものをサポートするサービスだ。このサービスは、システムの日常的な管理や緊急時の対応などをサポートするメニューを用意している。その内容は、IDカード紛失などによる遠隔操作での緊急カード停止や、サーバー死活監視、定期時刻補正、トラブル時遠隔接続、定期運用レポートなど。
 「昨今、セキュリティ意識の高まりによりセキュリティシステムを導入される企業が増えていますが、クマヒラではセキュリティは導入よりも運用が重要であると考えています。『GGシリーズ』は扱いやすいパッケージソフトでありながら豊富な機能を備えたセキュリティシステムです。『セキュリティシステム運用サービス』と組み合わせることにより、運用時の管理担当者の業務負担を減らすだけでなく、セキュリティレベルを適切に保つことが可能です」(赤地氏)




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