不動産トピックス
今週の一冊
2014.10.13 17:54
贈与税を上手に活用して増税時代に立ち向かえ
贈与税の各種特例
著者 飯塚 美幸
出版 中央経済社
発行 平成26年9月20日
価格 3000円(税別)
平成27年1月1日に控えた相続税の増税。相続税の基礎控除額が引き下げられることで相続税適用対象は増えることが予測され、資産家のみならずサラリーマン世帯にも税負担が圧し掛かる。資産家についても最高税理がこれまでの50%から55%に引き上げられることから、より一層相続税対策の重要が高まっているのはご存じのところだろう。増税まっしぐらの資産税の中で緩和が進んでいるのが贈与税。一例を挙げるならば、平成25年4月1日から平成27年12月31日の限定措置として「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が実施されている。この措置では30歳未満の受贈者を対象に教育資金に充てるために直系尊属が金融機関に信託した場合、受贈者1人あたりにつき1500万円までは贈与税が非課税となる。このことからも分かるように贈与税を上手に活用しないと損をする。
そこで役に立つのが本紙のコラムニストである税理士の飯塚美幸氏が執筆した「税理士のための相続税の実務Q&Aシリーズ 贈与税の各種特例」である。タイトルに記されているように本書は税理士に向けて書かれたものであるが、「特例贈与についての具体的な事例をQ&Aとして、相続贈与税を身近に理解し、民法や関連法にも配慮しつつ特例を最も有利に適用してもらえるよう工夫しました」と飯塚氏が語るように、詳細かつ分かりやすく解説されている。
ビルオーナーが本書を読破するのは難しいかもしれないが、顧問税理士の助けを借りながら自らの相続対策に生かしてみてはいかがか。