不動産トピックス

今週の一冊

2014.12.15 10:52

清掃作業からムダをとれ! 美観と利益を生む最強の現場
著者 吉廣 幸夫
出版 クリーンシステム科学研究所
発行 平成26年11月10日
価格 2000円(税別)

 著者の吉廣幸夫氏は、大型のショッピングセンターから小型のスーパーマーケットまで幅広く展開する小売企業の社員として活躍した後、メンテナンス全般を元請管理する子会社に出向し清掃部門を担当してきた。その中で著者は売り場面積4万6000㎡、管理面積2万7000㎡の大型ショッピングセンターを10年にわたって管理し、この他にも所属する企業以外の他社物件のスーパーマーケット店舗も管理受注している。これらの経験から著者が清掃作業において提唱するのが「ムダとり」である。清掃作業に限らず、実務においてムダを放置することは、生産性を低下させたままの状態を続けることにもなってしまう。その結果、コストの増加を引き起こし自社の利益をも減少させることになるのだ。本書は建物清掃の様々な場面におけるムダと、そのムダを取り除くための著者のノウハウが詰まった一冊である。
 著者の言う「ムダとり」の代表例ともいえるのが、業務の多能工化である。これは清掃の現場スタッフそれぞれが専門的な知識やスキルを幅広く会得していきながら、現場全体のレベルアップを目指そうというもの。これにより、専門性が必要な場面に対応できるスタッフが増えることで対応力の強化が図れるだけでなく、業務効率化によるコスト削減や品質向上を実現することもできるのだ。本書はこの多能工化はもちろん、清掃の現場における「ムダとり」を幅広く紹介。厳しいコスト削減が求められている現代のビルメン業界において、本書は業務及びコストの適正化の実現を後押ししてくれる。




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