不動産トピックス
クローズアップ 仲介ユニークサービス編
2014.12.22 17:24
不動産売買や賃貸の仲介サービスは、今やインターネットによる検索などの普及により昨今では非常に多様化かつ豊富になってきている。そのようななか、投資家やオーナーはどのように不動産仲介に関する差別化されたサービスを享受できるのだろうか。本頁は、不動産仲介に関するユニークなサービスを紹介する。売買手数料半額やオフィス居抜きなど、興味深いサービスが展開されていることを紙面にて伝える。
インプルーブ(東京都千代田区)では今月15日、収益不動産に特化した収益不動産検索サイト「Ye+ll【エール】」を公開したことを発表した。同社では、セール&リースバックのサービス内容を中心に、収益不動産の情報を順次更新していくとしている。また、サービスの大きな特長としては「仲介手数料半額」である。
インプルーブ代表取締役の加藤義孝氏はこのサイト開設をきっかけに、不動産オーナーが長期にわたり継続して付き合える不動産会社として、不動産の資産運用を顧客から一任されることを目指すとしている。
「お客様からは出口戦略をもった提案をしてくれる不動産会社がないという声を聞きます。弊社では、不動産にも旬があると考えています。いわゆる『旬』に売却して、新たな資産を入れることで空室や建物修繕等のリスクを回避して健全な資産運用を二人三脚でサポートしていきます。しかし、これには仲介手数料が大きな障害になると思います。売却時と取得時で合計6%の多大な費用が発生するからです。それを円滑にするために今回仲介手数料半額サービスを開始しました」(加藤氏)
資産保有中の空室リスクは、どんな物件でも対応する借上制度や家賃保証をはじめとした同社の管理システムでサポートするとしている。また、顧客との長期間の関係を継続できるよう、保有期間中に考えられる相続問題や修繕問題に対しても、専門家チームを組成してワンストップでバックアップできる体制を整える。
加藤氏は「当社では顧客に対し担当制とし、担当者が頻繁に変わることなく不動産に関連する一切のお悩みをサポートしていきます」と意気込んだ。
ヒトカラメディア(東京都渋谷区)では、仲介や移転サポートなどさまざまなオフィスに関する事業などを展開するなか、オフィスの内装をそのまま次のテナントが引き継ぐ「居抜き移転」サポートサービスを行っている。さまざまな設備や内装に費用などがかかる店舗物件では居抜き移転は比較的発生しうるが、オフィスにおいては居抜き移転はなかなか発生するケースが少ない。
ヒトカラメディア代表取締役の高井淳一郎氏によると、昨今の日本社会におけるビジネスモデルが変化していることや、とりわけ成長するIT業界での先行した人員拡大などにより企業の移転のサイクルも早まっていることなどを指摘したうえで、入退去の際の居抜き移転が企業側(=テナント側)から高まっていると話す。
「ウェブの普及によりIT業界のみならず他業種においても成長・衰退のスピードが加速しており、全体的にオフィス移転のサイクルが早まっていると言えるでしょう。テナント側にとっては頻度が増える移転をなるべく初期費用をかけずに実現する、ビルオーナー側にとっては入退去の際に生まれる空室期間をなくすことが可能になるという、それぞれにメリットがあるのが居抜き移転です」(高井氏)
高井氏は居抜き移転の課題点について「旧テナントによって譲渡された内装造作によって新テナントが万一事故に遭った場合などを懸念する方も多いですが、あらかじめ新旧テナントとオーナーの三者間で合意書を交わすことでリスクを回避できます」と話す。
現状ではまだまだ少ないオフィスビルの居抜き移転だが、今後ますますニーズが高まるオフィスの居抜き物件について、高井氏は一件でも多く希望企業に提供したいと意気込んでおり、物件を鋭意募集中だ。