不動産トピックス
クローズアップ 防鳥・防鼠編
2015.01.26 10:51
鳩や鼠といった動物は建物の資産価値の下落を招く原因となったり、建物内の衛生環境に好ましくない影響を与えることが多々ある。飲食店が入っているテナントビルならばこのような被害は避けたい。しかし動物を処分することを躊躇する人は多いだろう。ここでは人や環境、建物に配慮して防鳥、防鼠を行いつつ、鳥や鼠も殺すことなく追い払う、そのような商品を紹介していく。
あんじん武蔵の 植物性の鳥防止剤で鳥を寄せつけない
鳩を中心とした鳥害対策を行っているあんじん武蔵野(東京都八王子市)は植物性鳥防止剤「B―ST(バードストップ)」の施工による施設・建物の鳥糞対策を得意としている。
従来はネットや、剣山、ワイヤーなどの施工により鳥害対策が行われてきたが、ネットの場合は施工箇所を封鎖するために場所を選んでしまい、剣山・ワイヤーの場合は鳥が慣れてしまうことによって対策にならないことがあった。施設・建物の場合、鳥の糞被害によって新しい入居者を遠ざけてしまうことや、既存の入居者からのクレーム、通行人からのクレームなどになるケースがあり、また飲食等を営んでいるテナント側は非常に神経質にならざるを得なくなるというデメリットが多くあった。
同社が扱っている「B―ST」は事業本部であるあんじん(佐賀県伊万里市)が施工方法を含めて特許を取得している。同製品は植物由来の原料を混合したものとなっており、人体および鳥にも被害はなく、鳥害対策で殺傷能力のある薬剤の場合に生じていた遺骸の処理というデメリットも克服している。
同社代表取締役の榮田氏は「当社では全ての鳥対策方法をプランとしてお客様に提示することはできますが、『B―ST』が効果としては高く、またネットとは違い場所を選ぶこともないというのは非常に大きな利点だと思います」と話す。
その自信を裏付けるように、同社では『B―ST』とネットの施工については、3年間の効果保証を設けていて万一、鳥が再び棲みつくようであれば無料で再施工を行っているという。そのため、同社のサービスは100%の施工成功率となっているという。
「当製品を施工する場合ですと、効果保証期間である3年間はもちろんのこと、屋内などの条件がそろえば、10年程度は効果が持続します。この効果を知ったお客様はリピーターになることも多いです」(榮田氏)
駅舎や高架、マンション、ビルなどに多くの実績を持つ同社は今後も、施工を通して顧客の満足度を高めていく方針だ。
シー・アイ・シー 超音波の欠点を克服し鼠を撃退
シー・アイ・シー(東京都台東区)は超音波防鼠機「ネコのささやき」のレンタル販売を行っている。大都市圏ではクマネズミが猛威をふるっていて、ビルだけではなく、最近では住宅にまで生息地を拡大している。
従来はネズミに対して超音波は効果が無い、あるいはすぐに慣れてしまうと言われていたが、同社の研究の結果、これまでの超音波防鼠機は音圧が低いために超音波の防鼠効果が顕著ではなかったことがわかったという。
そのような背景から、同製品では発信装置から音圧136dB(従来品では100dBから110dB)という非常に強力な超音波を発振させ、防鼠効果を確実にもたらすとともに、ネズミの慣れを防止するため超音波発信機にある2カ所の発信装置からランダムに発信している。また設置場所ごとのニーズに対応するため、様々な場所への取り付けを可能にする周辺機器やメンテナンス機材を用意している。たとえばオフィスビルのロビーなどに設置する際には美観を損ねないための埋め込み型など、様々な場所での設置が可能だ。
ランニングコストも安くなっており、1台当たり1時間につき0・47円となっており、同製品の特長のひとつとなっている。
同社では防虫、防鳥の対策事業も行っており、今後も積極的に事業を展開していく。
アンテック アンカー不要の防鳥ネットで建物にも優しく
アンテック(兵庫県尼崎市)は特殊防鳥ネット「セルビュー」シリーズを開発・販売している。同シリーズは軽く、黒色で見えにくいため、取り付けても見栄えがよく圧迫感もないという。また、様々な場所での対策を可能にする専用取付具「ぺったんこ」を開発。アンカーなどの掘削の必要がないため、取付箇所躯体の寿命に影響を及ぼすことなく、かつ無騒音での取り付け可能だ。
「セルビュー」シリーズは角目のシートネットのため、鳥が絡まりにくく施工がしやすいため、施工時間の大幅な短縮が可能だ。また単線であるため、比較的ほこりや垢が付着しにくく、複線の製品に比べて風抜けも良い。ネット自身が軽量なため、取り扱いも容易で一般的なネットの10分の1の重さとなっている。
同製品はマンションなどの集合住宅やビルをはじめ、空港・道路・鉄道の橋梁や建物、寺社仏閣、商業施設や工場・倉庫など、あらゆる鳥害発生箇所で設置可能だ。