不動産トピックス

クローズアップ 自然環境製品編

2015.02.16 13:27

 省エネ・CO2排出量削減など環境への取り組みに関心はあるが、何をすればよいかわからないというビルオーナーは多いだろう。今回は自然環境製品の開発・販売を手がけ社会や環境に貢献している注目の企業を紹介する。

日本エムテクス 卵殻をリユースしたエコロジーな内装壁用タイル「エッグスタイル」などの自然建材を販売
 資源循環型社会づくりに貢献したい思いをもって建築材料を開発している日本エムテクス(東京都世田谷区)。同社は卵殻をリユースしたエコロジーな内装壁用タイル「エッグタイル」などの自然建材を販売している。
 専務取締役の藤本直哉氏は「卵の殻は年間20万トン出されますが、ほとんどの殻が廃棄されてしまいます。当社は卵の殻に利用価値を付けて世の中に送り出すエッグプロジェクトを進めてきました」と語る。
 卵には1個あたり約1万個の気孔と呼ばれる小さな穴があり、ひよこはその穴から呼吸に必要な酸素を取り入れ内部で発生した二酸化炭素を排泄するガス交換を行っている。1m2あたり750個の卵殻が再利用されている「エッグタイル」は、ひよこの命を生かすのと同じメカニズムで湿気の多い時期には余分な湿気を吸収し、乾燥している時期には放湿度し室内を快適な湿度に保つ優れた吸放湿性を備えている。また、卵殻が持つ高い多孔質性によりタイル内部に空気層ができることで木材と同等の熱伝導率を誇り、さらにタイルの重量は通常のタイルと比較して約2分の1と超軽量となっており工期を短縮させることができる。
  「最も評価されているのは意匠性です。卵のような丸みを帯びた形状が穏やかでやわらかな印象を与える製品となっており、事務所やオフィスに施工することで特徴がでると思います。最近では健康志向の人が増えていると思いますし、不動産業界でも環境に配慮しようとする動きは出てきているのではないでしょうか。企業もイメージづくりがありますし、当社の環境への貢献というメッセージが企業のCRSに響き、当製品を取り入れていただく機会も増えてきました。最近では『丸井』や『あべのハルカス』の店舗で採用していただいております」(藤本氏)
 「エッグタイル」を施工することで社会・環境に貢献するだけでなく、他物件との差異化が図られ不動産の資本価値を上げることができる。藤本氏は「当社は長期的な環境視点での『ものづくり』を進めている企業として、リユース業界をリードしていく存在になればよいと考えております」と自信を見せる。

OKUTA 高性能断熱塗料「ロハスコート」販売
 OKUTA(さいたま市大宮区)は自然素材の水性塗料「ロハスコート」の企画開発、販売および施工を行っている。
 取締役常務の丸山晃司氏は「熱の遮断は中空ビーズにより行われ中空ビーズの配合率が重視されます。20~30%しか入っていないという製品もあるが多く混入した方が効果は高まります。『ロハスコート』は配合率60%を実現し高い断熱効果を発揮し、最大で30%以上の消費電力とCO2の削減を期待することができます」と語る。
 「一般的な建築物は10~15年で外壁塗料の塗り替え時期を迎えると言われていますが、その理由として大きく3つの原因を挙げることができます。1つ目の理由としてヒビ割れの発生があります。建物は温度変化による伸縮や風などによる揺れ、地震や機械による震動などで常に動いているため外壁塗料に伸縮性がないとクラックが生じやすくなります。『ロハスコート』の最大の特徴は200%以上の伸縮性であり、15年以上の長寿命を実現させました。断熱効果や耐候性に加えて耐久性を持たせることで塗り替え回数も減らすことができコストの削減にもつなげることができます。2つ目はチョーキング現象です。紫外線を浴びることで塗料が劣化し、塗膜が粉状になることで耐久性や防水性などが損なわれ、外壁を守るという機能を果たせなくなることを言いますが、『ロハスコート』は塗料のJIS規格の3倍以上の強力な粘着力があり他製品と比較しても耐久性を保つことができます。外壁塗料塗り替えの3つ目の理由として汚れが目立つということが挙げられます。断熱塗料だけを塗るとマットな状態で汚れやすくなりますが、『ロハスコート』は断熱塗料の上に遮熱トップをコーティングすることで光沢を出して汚れを防ぎます」(丸山氏)
 同社は断熱塗料としてすぐれた省エネ効果を発揮するだけでなく、外壁が汚れにくく、クラックやチョーキングが入りにくくなる製品を開発した。


エア・ウォーター・エコロッカ エコロジー建材「エコロッカ」販売
 エア・ウォーター・エコロッカ(長野県長野市)はリサイクル・未利用資源を100%利用したエコロジー建材「エコロッカ」を販売している。
 同製品は木材とプラスチックそれぞれの優れた特性を兼ね備えた新しいタイプの「木材・プラスチック複合材(WPC:Wood―Plastic Composites)」であり、デッキ材やルーバー材、ウォール材として公共施設を中心に学校・福祉施設や商業施設、一般家庭などさまざまな場所で利用されている。
 廃木材・廃プラスチックの原料調達・受入検査から製造工程管理、完成品の出荷検査に至るまで、同社の工場である「長野プラント」の一貫した製造ラインのもと、品質管理には万全を期している。




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