不動産トピックス
今週の一冊
2015.02.23 12:34
不動産投資は儲からないが「自宅投資」には活路あり
2018年までのマンション戦略バイブル
著者 沖 有人
出版 朝日新聞出版
発行 平成27年1月30日
価格 1800円(税別)
アベノミクス以降、沈滞していた不動産市場が活性化し、都心部を中心に不動産価格が急上昇したのは記憶に新しい。この状況を見事に予見したのが本書の著者である沖有人氏だ。不動産ビッグデータを駆使するコンサル会社の経営者でもある同氏は平成25年末に「マンションを今すぐ買いなさい」(ダイヤモンド社)を出版。その後の都心部のマンション価格の値上がりは周知の事実で、その鋭い観察眼は賞讃されるべきである。が現在は平成25年末時点の予想はすでに実現した後の世界であり、今後の不動産投資はどのようにすべきか、不動産を購入希望者の多くが頭を悩ませている。
本書において著者が端的に示すのは「今は不動産投資は買い時ではない」ということ。いわば不動産投資を行う時期ではないと指摘するが、そんな厳しい市況下で著者が勧めるのが「自宅投資」だ。自宅投資とは実需として自分の住居を購入し、ライフスタイルの変化に合わせて住み替えをしながら収益を得るというもの。核となるのが譲渡益が見込める物件の選択方法である。
インフレ、少子化等の社会的要因から不動産市場のメガトレンドを読み込み、トレンドに合致した物件に集中的に投資する。自宅投資によって無理のない不動産投資が可能になる。