不動産トピックス
今週の一冊
2015.03.30 16:15
格闘家の顔を持つ「闘う弁護士」が「攻め」の相続対策を伝授
闘う弁護士が伝授する家族が幸せになるための相続の奥義
著者 堀 鉄平
監修 木村 祐司
出版 時評社
発行 平成27年3月20日
価格 1500円(税別)
基礎控除額が縮小されたことで、相続税とは無縁だった多くの人々が課税対象者になる。今年1月に施行された相続税・贈与税の改正は、ある意味で「不意撃ち」に等しく、昨年から右往左往するビルオーナーも少なくないのが現状。一方で「悩める子羊」と化した課税対象者に救いの手を差し伸べるべく「相続対策」の指南者が活躍中である。
しかし問題なのは指南者の属性によって「相続対策」の中身が大きく異なり、どれが自分の役に立つのか、誰の助言が正しいのか判断がつかないことである。例えば相続税対策として更地にアパートを建設した場合、確かに相続税額は減額されるかもしれないが、土地の価値自体は大きく下がり、処分しにくくなってしまう。せっかくの相続対策が将来的に大きな負担になる可能性がある。
本書はこうした現状を「相続ビジネスが跋扈する危険な時代」と警鐘を鳴らす。特に巷に氾濫する相続対策は「節税一辺倒で資産価値の下落・争族・納税資金の不足」といったリスクに対応していない」と指摘。これに対し、プロ格闘家の一面を持ち「闘う弁護士」と呼ばれる著者の堀鉄平氏は資産価値向上とトラブル回避を両立させる独自の「マーシャルアーツ流攻めの相続対策」を提案。相続における数多くのリスクにいかに対応するべきか、具体的なノウハウを伝授する。
「相続=投資」と定義づける本書の価値観は、題名通り「家族が幸せになるため」に必要な要素であり、自ら動かなければ「幸せを掴めない」ということを示唆している。