不動産トピックス
クローズアップ アプリ編
2015.04.13 16:56
今や情報収集の際にもっとも活躍するのがスマートフォンという時代になったが、そのなかにおいて不動産経営にはどのように役立っているのだろうか。今回はスマートフォンで使える「アプリ」を特集する。
Warrantee 自らの苦い経験から生み出された保証書電子化サービス「Warrantee」
スマートフォンアプリによる保証書の電子化サービス『Warrantee』 は、平成25年10月に設立されたサービスと同名のWarrantee(大阪市中央区)が展開している。このサービスは不動産管理の現場においては賃貸物件に関わる設備の保証書や取扱説明書を電子化することで、オーナーと入居者の双方が同じ住宅設備の情報共有を可能にする。説明書の管理の手間やコールセンターの対応時間の圧縮(=コスト)も削減できるとして、目下不動産管理会社などに向けて営業を展開し、すでに首都圏の賃貸物件にも導入実績がある。
「進学を機に一人暮らしを始めた際、購入した家電製品の故障がたて続きました。恥ずかしながら私はそれまで保証書などの類いを捨ててしまう性分でした。保証書がないおかげで修理は有償になってしまいました」
サービス開発のきっかけは、代表の庄野氏のこんなエピソードが源となっている。
大学卒業を控えた一昨年の3月、庄野氏は友人の勧めにより大阪市が募集していたシリコンバレー視察旅行に参加した。参加の条件は「旅行中に現地企業に対し事業のプレゼンテーションを行う」ことだった。ここで庄野氏は長年暖めていた「保証書の電子化」をプレゼンしたところ、多くの米国の投資家から「このアイディアをもってそのまま起業したらよいのでは」と勧められ、そのまま帰国後、同月のうちに会社を設立した。その後まもなくVCキャピタルからの資金調達がかない、本格的に事業をスタートすることになった。
「より良い世の中にするために」という思いと保証書にまつわる自らの経験が結実し、「Warrantee」は誕生した。昨年9月、「Warrantee」はNTT西日本が主催する「オープンイノベーションフェスティバル」において「アライアンス賞」を受賞した。
庄野氏はその副賞だった東京・赤羽橋のレンタルオフィス利用権をもって東京に進出した。庄野氏は今後、東京での営業活動にも一層注力すると意気込んでいる。
akippa スマホやPCで事前に空き駐車場を確保 利便性向上と路上駐車など解消が目標
akippa(大阪市西区)では、個人間でも簡単に、スマートフォンやPCで"駐車場の貸し借り"ができるオンラインコインパーキングサービス「akippa」の運営を展開している。
「コンサートやイベントなどに車を利用するが、駐車の際に混雑をさけたい」、「長期旅行などに行くので事前に駐車場を確保しておきたい」、「日常的に営業などに車を利用する」といった自動車ユーザーのニーズに即座に対応するサービスだ。同社は求人メディア事業を主事業としていたなか、生活の中で困ったことや、不便に思ったことを自由に全社員で200個書き込み、そのアイディアの「種」から新しいサービスを生み出そうという社内制度「HUBEN KOMARI/200 Startups」をきっかけに昨年4月に誕生した。
akippaは空いているスペースがあれば、駐車場として登録して貸し出すことが可能だ。使わなくなった駐車場や、時間帯によっては空いている駐車場、空き地になっている場所など、現状は使われなくなってしまった場所も、akippaを利用して駐車場として貸し出すことで報酬が得られ、まさに「収益を生まない場所が収益を生む場所へ」と生まれ変わらせる仕組みといえるだろう。
登録に際しては、駐車場となる場所の画像を用意したうえでウェブまたはアプリ上で駐車場登録を行うだけだ。現在東京、大阪をはじめ全国約4万6000台分の登録がある。
「今ドライバーは、目的地に到着してから初めてコインパーキングがあるかどうか、コインパーキングが空いているかどうか知ることができます。それは路上駐車を生む原因になっています。akippaが普及することで駐車場について『家に出る前に確保するのが当たり前』という概念に変えたいと思っています」(金谷氏)
NTT都市開発/ほか O2Oフィールド・トライアル開始により「田町グランパークアプリ」を開発・提供
NTT都市開発(東京都千代田区)、NTTレゾナント(東京都港区)、日本電信電話(東京都千代田区)では、先月9日より複合オフィスビル「グランパーク」(東京都港区)において、新たにオフィスビルにおけるO2O(Online to Office)フィールド・トライアルを開始した。
この取り組みは、大規模オフィスでの試みとして、スマートフォンアプリ「田町グランパークアプリ」を開発・提供し、NTTグループが持つ位置情報連動型レコメンド配信サービス「エリアマッチ」などへの活用を目的に、オフィスワーカーや店舗利用者に混雑の様子などをタイムリーな情報を提供するO2Oアプリケーションの効果検証を行うもの。
「エリアマッチ」は、ユーザーが検索した地域情報またはユーザーの位置情報に基づいて、希望に即した店舗情報を掲載するサービスだ。
3社はアプリケーションを活用することでの今後の更なる利便性・満足度向上や周辺の地域活性化へ貢献するとしている。