不動産トピックス
今週の一冊
2015.06.01 14:39
新築工事時に注意すべきポイントを解説
新築現場が知らない知識 マンション修繕技術者の観点から
編著者:リニューアル技術開発協会
発行:日刊建設通信新聞社
出版:平成26年11月28日
価格:1800円(税別)
マンションの大規模修繕工事を中心に建物の維持保全に関わる技術者が集まり、リニューアルに関する様々な問題に取り組んでいるリニューアル技術開発協会(東京都中央区)。リニューアルに携わる技術者として、同協会のメンバーが実際に見てきた不具合の事例を本書では示し、新築に携わる技術者の業務の一助となるよう「新築工事へのフィードバック」というテーマが本書の副題として添えられている。
本書は「躯体の不具合予防法」、「美装性だけではない外装仕上げ」、「漏水のリスクが低い防水、床仕上げとは」、「区分所有建物における設備のあり方」、「これからの高層マンション」という5つの章立てによって構成されており、屋上防水や外壁塗装、タイル補修といった躯体部分の修繕におけるポイントを解説している。 建物は耐久性を維持するために周期的な修繕が必要であり、場合によって改修工事の必要性も生じてくる。しかし、建物の新築時において工事業者のミスなどによって十分な機能を持たないまま修繕の時期を迎えた場合、建物は想像以上に劣化が進行し、思わぬ費用負担を施主側は強いられるケースもあるようだ。建築に携わる者だけではなく、本書を通じて適切な躯体工事の基礎知識を建物所有者側が身につけ、建物の長寿命化を目指して頂きたい。