不動産トピックス

クローズアップ 駐車場編

2015.09.28 16:44

 都心や駅周辺地域において、駐輪場やバイク駐車場の不足は社会的な問題だ。東日本大震災以降、公共交通機関以外を使った移動手段として、自転車やバイクは注目されている。それらを包括するための駐輪場の現状を探った。

ビシクレット フレキシブルな対応で建物に合った駐輪場を提案
 駐輪場の販売施工から運営・管理事業などを展開するビシクレット(東京都港区)。同社の最大の強みは土地や建物の所有者にフレキシブルな対応によって建物に合わせた施工などを提案できる点にある。
 同社代表取締役の井上喜一朗氏は「建物の形状は一つとして同じものがありません。当社は駐輪場の設営を考え始めている不動産保有者に対する相談を入り口に、建物に合ったベストな提案や施工、そしてアフターフォローまでを一括してお引き受けしています。それによりオーナーの意向に合わせた柔軟な動きができると自負しています」と語る。
 東日本大震災以降、特に東京をはじめとする都心部において通勤で自転車を利用する人が増加。同時に不正に駐輪する車両の増加が問題になってきた。その対策のためにも駐輪場の需要も年々高くなってきた。現在ではマンションやビルはもちろんのこと、複合商業施設や公共施設などの大型施設においても駐輪場の確保は必須といえるほどにまでなった。
 都内においても行政指導や自転車利用者の意識の向上によって放置自転車は年々減ってきている。背景には駐輪場整備の進捗がある。がまだまだ駐輪スペースが不足していることも否定できない。とりわけ問題なのが、一見利用者に対する駐輪スペース不足である。駅の近くに停めようとしても契約駐輪場ばかりで、駐輪場所が見つからない。かといって狭小スペースの駐輪場では採算的に問題がある。
 が井上氏は、「収益性を見れば単純に50台分ほど停められるような場所であれば採算にのるケースもあります。駐輪場の設営を考えている方はまずは専門家に相談し、アドバイスを受けて欲しいと思います」と不正駐輪解消に貪欲な姿勢を示す。


バイクパーク 1台からでも設営可能なバイク駐車場
  バイクパーク(東京都新宿区)はバイク専門の駐車場の運営・管理を行っている。近年、バイクの違法な路上駐車は、歩行者の安全な通行の障害になると共に、交通渋滞の原因になるなど、社会に対し様々な弊害をもたらしている。その対策として平成18年6月に施行された新たな道路交通法では、駐車場違反の取り締まりを民間に委託するなどによって違法駐車の取り締まりと罰則が強化された。しかし、バイク駐車施設の絶対的な不足によって取り締まりを強化しても、現状は違法駐車は減少に向かっていない。
 そのような問題を解消するべく、バイクパークではデッドスペースを有効活用し、1台からでもバイク駐車場を運営できる提案をしている。
 同社営業部の八重尾健氏は「当社では月極駐車場の運営を土地、建物保有者に提案しています。デッドスペースとなっている場所や遊休地などを活用し、少しでもバイク用の駐車場を普及したいと考えています。ビルにおいても1階の空いたフロアやビルの前の空いたスペースなどを活用できます。1台からでも駐車場を運営することができるので、ちょっとした隙間などでもバイク駐車場として活用することができます」と話す。
 また、駐車場を設営する前にも事前に半径300m範囲の周辺状況を細かく分析。駐車場に適しているかどうかを判断した上でオーナーに最適なプランを提案する。
 運営も同社が24時間365日防犯体制を構築。必要な際には防犯カメラを設置するなど、警備体制も万全で構える。
 このような行き届いたサービスを行えるのは同社の営業スタッフが全員中型自動二輪免許を保持し、バイクに乗っているからだ。自分たちもバイクに乗ることで、常にバイクオーナーの気持ちになって最適な駐車場のプランニングが提案できる。
 「もちろん、土地や建物保有者に対しても配慮を欠かしません。当社の運営する駐車場においては違法改造の車両との契約は行っていません。契約をする際に必ず車検証のコピーをいただいたりするなどしています。駐車場の近隣の方にも迷惑がかからないように考えています」と八重尾氏は話す。
 今後も顧客ニーズにあった提案と小さい物件でも真摯に対応していき、更なる普及を目指す。

新和企業 様々な規模と用途に対応する機械式ゲート
  新和企業(東京都中央区)はあらゆる規模や用途に対応する「自動ゲートシステム」を販売している。同製品は電気を動力としない機械式のゲート。モーターを使っていないので挟まれる危険はない。また、逆回転もしないのでスムーズに通過でき、且つ不正退場対策にもなっている。シンプルな機構を採用することにより、メンテナンス費用も軽減。ランニングコストの削減にも寄与している。また、一方向のみの回転ゲートを採用し、従来の機械式ゲートをはるかに上回る通行料を実現している。同製品は1台目の車両が通行する際、2台目の通行を遮断する形でゲートが回転。それにより、不正利用防止および満車管理の確実性など、管理面での徹底化が図れる。非電力式回転ゲートのため、通行するスピードに合わせてバーが回転しスムーズな通行が可能。ラッシュ時にも対応している。
 また、入口ゲート・出口ゲートと分かれており、一方向のみ回転するゲート方式。2台同時通り抜けができない構造で、非電力回転ゲートによる安全かつ確実な管理が行える。




週刊不動産経営編集部  YouTube