不動産トピックス
クローズアップ 床改修編
2015.11.16 15:59
ビルオーナーにとって床は重要ではないだろうか。エントランスでのイメージ向上を図るためのもの、工場や駐車場、トイレなど安全性を考慮されて導入されたもの、場面によって求められる性能は様々だ。しかし、その床も使用していれば改修が必要になるもの。コストをかけたくないというオーナーのためにも、コストパフォーマンスの高い床改修について紹介していく。
ハロースタッフ(磨きマスタ) 張り替えよりもコストの安い研磨再生という方法
ビルオーナーにとってビルの価値を維持し続けることは、稼働率・賃料収入の維持向上を図るときや、ビルを売却する時にも、より高値で売るための必須条件だ。特にエントランスの大理石の汚れなどには注意を払いたいところ。
東京都多摩市に本社を置くハロースタッフ(磨きマスタ)は石材メンテナンスや石材の研磨再生を事業として展開しており、エントランスにしばしば使われている大理石や人工大理石の研磨再生を行い、見栄えの悪さや汚れを取り除くことを得意としている。
同社代表取締役の鶴田雅史氏はこのような天然石の研磨再生について、「ほとんど知られていない」と話す。理由は職人が不足していることと、オーナーはおろかゼネコン業者ですら大理石・人工大理石の再生技術があるのを知らないということだ。
「ほとんどのオーナー様は汚れが目立ち、見栄えが悪くなった大理石については、張り替えを検討しています。しかしながら、大理石は適切なメンテナンスを怠らず、見栄えが悪くなったものについては素材本来の輝きと機能を再生でき、長く利用できるものです。そして、当然のことですが、研磨再生をするほうが張り替えを行うよりもコストと期間を抑えることができます。具体的に言うと、コストでは張り替えに比べて10分の1から最大で20分の1、工事は通常4日~5日ほど、営業に支障のない時間帯で施工いたします」(鶴田氏)
同社では実際に施工を行う前にテスト施工を行っている。対象となる大理石の一部分を研磨再生した上で、実際の効果を体感してもらう。このような行き届いたサービスで信頼を築いてきた同社では、リート物件や再販物件、また商業施設でも業務を受注しているという。
「大理石をきれいに保ち、日々のメンテナンスを行うことは、テナントの満足度や新規テナントの賃料にも好影響が出るなど、ビルオーナーにとって収益を左右する重要ファクターです」と鶴田氏は訴える。この言葉を受け止めるとともに、よりコストのかからない大理石の再生方法があるということを知っておくことは重要だ。
ABC商会 滑りにくい床で事故を防ぐ
ABC商会(東京都千代田区)では駐車場やトイレ、洗面所などの滑りにくい床への改修を薦めている。床は使用年数が多く、さらに使用頻度が多ければ多いほど摩耗が進んでいく。この摩耗は防滑性の低下へとつながってしまい、清掃作業を行う機会も多い場所では、転倒事故なども起きる可能性が出てくる。防滑性はビルオーナーにとっても無関心の話題ではないだろう。
同社ではトイレの床の防滑改修の提案として2つ挙げている。
1つは通常時はフラットな状態だが、歩行時に荷重がかかると骨材が露出し足元をグリップする防滑メカニズムを持つシート床材への改修だ。清掃時の転倒が懸念される場所には最適な改修工法とされる。また表面はフラットなため、汚れが溜まらず、トイレなどの清掃も簡単に行うことができる。
また改修コストも既存タイルを生かした広報となるために、コストを削減するとともに、工期短縮を実現する。
同社が同じ場面で提案するもうひとつの改修方法としては、従来のタイルや石材の表面に防滑性を付与するもので、これまでのタイルや石材に塗布するだけで施すことができる。既存床を生かしたままなので、やはり短い工期で防滑性を実現することができる。
ビルの安全を守るのはビルオーナー側の責任であり義務。ビルにいる全ての人が安心して暮らせることのできるよう床の防滑処理は必要ではないだろうか。
オートレント 日常メンテナンスでは落とせない汚れもしっかりと
管理会社を使わずに清掃などの業務はビルオーナー自身が行っているというう人も少なくないだろう。しかし、そのような日常的な業務のなかで落とせなくなった汚れについてはプロに任せることも考えた方が良いだろう。
オートレント(埼玉県川口市)では豊富な機材で通常の床からタイル、コンクリート、石などの様々なタイプの洗浄に対応することができる。洗浄前と洗浄後の画像を参照してもらいたいが、清掃のプロではないビルオーナーの手によってここまで行うことはなかなか厳しい話ではないだろうか。特に床面積の広いビルなどであれば、なおさらだ。プロに任せることによって美観を保ち、テナント・来訪者の双方に気持ちよく利用されるビルにすることができる。
同社の対応エリアは首都圏となるが、自社管理を行っているオーナーは節目の清掃の際に検討してみてはいかがだろうか。