不動産トピックス

クローズアップ 洗浄編

2016.01.25 13:09

 ビルオーナーにとってビルを清潔にしておくことは重要であるが、「見えない部分」については意識していないと忘れがちな部分である。特に排水管については後回しにすることで、管の詰まりによる水漏れ事故による被害が多く聞こえる。今回は排水管の洗浄を中心にさまざまな洗浄製品を紹介していく。

フジクス 早期のメンテナンスが重要
 フジクス(川崎市川崎区)ではウォータージェットによってビルやマンションの排水管の詰まりの元となる油や尿石の除去をおこなう菅洗浄を展開している。
 菅洗浄は目に見えない部分ということで、後回しにされているケースが多くみられている。マンションについては定期的な洗浄が行われているところが多い。しかしオフィスビルや施設については飲料水の水質検査といった管理維持はしっかりとやっている一方で、排水については飲料水よりも優先順位が低いことから後回しにしているオーナーが多い。配管の詰まりや詰まり事故が起こって初めて異変に気が付くというケースが菅洗浄を後回しにしているオーナーのほとんどに当てはまっている。
 ビルやマンションの排水管の詰まりでは、入居者全体の排水が通る共用管の詰まりが一番甚大な被害を及ぼす。詰まっている場所よりも上の階からの排水は流すことができるため、詰まっていることに気が付かずにそのまま流し続けてしまう。その結果、下の階の床が排水であふれてしまい、さらに下の階には天井を伝って水が漏れてしまう。排水ということで、衛生的に汚損された状態になってしまう。そのため、内装の総入れ替えや木材や板張りの床面の場合だと総張り替えを必要とするため、コスト面で甚大な被害をもたらしていく。 
 フジクスの環境衛生営業部次長の岡田公彦氏は菅洗浄の重要性について「大きな損害を起こさないためにも早めの洗浄をすることが重要です。特に排水ということで、腐敗臭や汚れといった衛生面や内装の交換といったコスト面でも多大な被害を受けます。定期的な洗浄を行うことで、リスクを減らすことができます」と語る。
 詰まりの原因は主に油や尿石、大浴場のコンクリートから抽出されるエフロが原因。油や尿石については腐敗臭がするため、清掃しても悪臭がする場合は排水管が汚れている場合が多い。フジクスでは汚れの除去と除菌を同時のおこなうことができる「菅洗浄プラス」といった汚れに合わせた洗浄方法を行うことができる。
 岡田氏は「弊社では建物に最適な能力の洗浄機械や道具を開発・準備するといったハード面とそれらを駆使しながら見えない排水管を的確に洗浄する人材の育成というソフト面の両方を重視しています。建物ごとに適した洗浄方法を図面や現場を実際に見ることで、状況を把握しながらオーナー様にフェイストゥフェイスで提案していきます。建物ごとに配管経路や詰まりの状況も違ってきますが、きちんと建物を理解したうえでオーナー様と話し合いながらお互いに一番合った洗浄方法を提供しています。特に排水管の洗浄を何年もやられていないオーナー様は詰まり事故を防ぐためにも早めの洗浄を行うことをお勧めします」と語った。


アマノ 洗浄ロボットによる効率化
 アマノ(神奈川県横浜市)は自律走行式ロボット床面洗浄機「SE―500iX」を発売している。自律型とは各種センサーを複合的に組み合わせることによって壁や人といった周囲の環境を認識しながら自動走行を行うシステム。「SE―500iX」はあらかじめ手動の操作で洗浄作業を記憶させることで、次回の清掃から自動的に床面の洗浄を行う。
 作業は最大64パターンまで記憶することが可能となっている。そのため、清掃エリアに応じてそれぞれに適した作業内容を記録することができる。
 自動走行ということで、安全性にも配慮された構造となっている。各種類のセンサーを搭載しており、障害物や段差を検知することができるようになっている。そのため障害物を見分けて停止することや、階段や段差のある床面を検知し、転落や転倒を未然に防ぐことができる。また、人の急な飛び出しには、搭載している音声案内装置やドライブレコーダーによって対応するため自動運用の安全面においても安心した運用が可能となっている。その他には自動運転中にタンクの洗浄水の残量の不足や、汚水タンクが満水になった場合は、安全確保のために運転を一時停止する機能も完備。「SE―500iX」はショッピングモールといった商業施設や工場の床面洗浄を主なターゲットとして販売されている。
 昨今、少子高齢化が進んでいくなかで、労働者人口の減少が予測されている。ヨーロッパでは清掃ロボットの開発が活発化しているが。業務用ロボットを利用することで少人数でも広範囲を限られた時間内にムラがなく、素早く、効率的に清掃することが可能となり、清掃の品質向上が期待されている。


ケルヒャー ジャパン 新型バッテリーによる長時間操作しやすい洗浄機を販売 
 ケルヒャー ジャパン(宮城県黒川郡)は業務用小型床洗浄機「BD38/12CBp」を販売している。
 同製品には長寿命のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、従来よりも充電可能回数が増えたことで、一日で複数回にわたっての床洗浄を可能としている。Ecoモードに切り替えることによってバッテリー消費を通常時よりも1・5倍の長時間の使用が可能。新型のバッテリーを搭載したことによる長時間の床洗浄に加えて、本体が軽量化されている。そのため操作性も向上しており、市場テストでは特に軽さと小回りの良さが顧客から高い評価をされている。
 汚水を廃棄しやすいタンクや水はねを抑えるスプラッシュガードも装備され、ブラシの交換も工具不要と、メンテナンスのしやすさを追求した設計をされている。
 「BD38/12CBp」の主な用途はスーパーやコンビニといった商業施設から病院や工場といった幅広い場所での床洗浄を想定している。




週刊不動産経営編集部  YouTube