不動産トピックス

今週の一冊

2016.02.01 11:22

国内と海外の差異を明るみにし正攻法=成功法の投資の基礎を身につける

著者:内藤 忍
出版:平成27年6月20日
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格:1000円(税別)

 NISA(少額投資非課税制度)が始まり、投資による資産運用が富裕層だけでなく、中流にまで広まってきている。しかし、そこへのアプローチについての初心者のための正攻法は意外に知らないのではなかろうか。
 著者の内藤忍氏は国内の不動産に投資する場合に重要となるものとして「物件の選択」と「エリアの選択」を挙げる。人口減少と低成長時代の持続が確実視される中で、大きな利回りへの期待は薄く、またどのエリアでも成功可能性があるとは言えない。不動産投資の入り口としてワンルームマンションの区分所有はしばしば耳にするところ。内藤氏もアパートなど一棟への投資は手間を省けるが、そのエリアの人気がなくなれば大きな影響を受けてしまうリスクを考えなければならないと警鐘を鳴らす。
 では海外不動産はどうだろうか。内藤氏は資産運用の考え方として、極端な円安、極端な円高を予想しない限り、円建てと外貨建てを半分ずつで投資を行うべきだと言う。その上で海外不動産投資は、人口増加が見込まれるアメリカ、東南アジアなどは全体の経済成長性も期待されており、ダイナミックな投資を行うことが可能となる。
 儲けるためのハウツー本からは得られない資産運用の基礎。投資を真剣に考えている人はここから始めていきたい。




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