不動産トピックス

今週の一冊

2016.02.08 10:08

地方が抱える深刻な問題を気軽に読めるマンガで描く

地方は活性化するか否か~マンガでわかる「地方」のこれから~
著 者:こばやし たけし
発行元:学研プラス
発行日:平成27年11月3日
価 格:1000円(税別)

 本書は著者のこばやしたけし氏がインターネットブログで連載していた4コママンガを基に、ストーリーや構成を再構築しコラムを加えて1冊の本としてまとめたものだ。架空の地方都市を舞台に、そこに住む主人公たちが自分達の居住する地域の現状を知っていくことを通して「地方はどうあるべきか?」という問題を描いている。
 マンガという形式や可愛らしい絵柄とは裏腹に、作中で描かれているのは「地方の少子化」、「なぜ若者が地方から離れていくのか」、「的外れな『活性化』の取り組み」など地方が抱える深刻な問題ばかりである。
 だからこそ、気軽に手に取り読むことのできるマンガという形式は今まで「地方活性化」についてあまり関心がなかった人でも興味を抱くための第一歩、入門書としてふさわしいものとなりえるだろう。また、問題提起をするだけではなく、活性化のためには何が必要なのかについても提示している。
 発売後、石破茂地方創生担当大臣が自身のブログで話題にしたことでも注目を集めている本書。「自分がやれそうなことをまずやってみることが『地方の活性化』にはいちばん大事なことなのではないか」と作中で語られているが、地方が抱えている問題とそのために自分自身は何ができるのかについて考えるきっかけとして、試しに手に取ってみてはいかがだろうか。




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