不動産トピックス
クローズアップ オフィスデスク編
2016.02.08 10:10
最近の風潮として、自らの業務内容に合わせて事務空間を選択するワーカーが増加。働きやすい環境づくりが進められている。今回は企業の特色や働き方を変化させるオフィス用品のなかでもデスクについて取り上げていく
岡村製作所 企業文化の反映をサポートするオフィスシステム
岡村製作所(横浜市西区)のオフィスシステム「PRECEDE(プリシード)」は色や素材の質感を重視し、オフィスのオリジナリティを表現することができる製品。
マーケティング本部オフィス製品部ワークステーショングループリーダーの深津善之氏は「これまで、企業が効率を求めるあまり見落としがちだった『企業独自の文化やスタイルなどをオフィス空間に表現する』という目標をプリシードシリーズを開発するにあたり提起しました。デスクの周辺を含めた空間全体をトータルにコーディネートできることはもとより、それにプラスして天板や脚の色を組み合わせそれぞれの企業らしさを表現することができます。それにより、チーム・組織における共感やオリジナリティを育むことができます。ぜひいろいろな『自分らしさ』をプリシードシリーズによって実現してもらいたいです」と語る。
プリシードシリーズはワークデスクのみならず、ミーティングテーブルやエグゼクティブデスク、パーティションの4つから成り立っているブランドである。一般的な執務エリアから個室、会議室に至る空間を色調、素材感、フォルムの調和をデザインし、ワーカー同士の心を通わせる心地いいオフィスを創りだすことができる。オフィス家具によって自分たちらしさを表現した環境で働くことで、社員のモチベーションの向上や社員同士の一体感を生み出すことが期待される。
深津氏は働く空間における家具について「オフィス家具にはいろいろな種類や素材、木目の色がたくさんあります。効率を追い求めることも重要ですが、企業による文化やカラー、スタイルに合った環境を創りだすことも重要となってきます。貸会議室やレンタルオフィスにおいても、家具によって魅力や付加価値を出すことができるので、ぜひ家具による表現を楽しんで頂きたいと思います」と語る。
現在、フリーアドレスを採用している企業が増えているが、深津氏はフリーアドレスについても「以前は効率を追求してフリーアドレスを導入している企業もありましたが、なかなか定着はしませんでした。最近では、働く内容や気分によって働く場所を変えることでまわりの人とのコミュニケーションを円滑に行うことができるようになり、オフィスに活気を生み出すことを期待し、フリーアドレスを導入している企業も増えています。弊社の『It`s my style』もそうですが、働く環境を自分たちが選べるという環境は重要だと思います」と語る。
「It`s my style」とは人に性格があるように、組織にも文化がある。組織の文化に合わせたオフィス環境を創りだすことでモチベーションの向上や発想力を高め、組織としての力を最大限に発揮できるという岡村製作所ならではの発想といえる。
オフィス家具を導入することにより、様々なオフィス環境を創っていくことができる。その中には個人の働き方の変革や企業の文化を最大限に反映していくものなど多種多様となっている。岡村製作所のプリシードシリーズは企業の特色を反映させることで、組織の底上げをサポートする製品である。
イトーキ ワークシーンの変化に対応するテーブル型デスク
イトーキ(大阪市城東区)はワークテーブル「アクティブフィールドシリーズ」を開発・販売している。従来は単一の事務机やコストパフォーマンスの高い大型天板のデスクが主流であったが、近年ではオフィスのオープン化が主流となってきたため、デスクワークのみならずミーティングスペースや会議室といったプロジェクト単位の仕事にも対応することができるテーブル型のデスクが求められており、そのニーズに対応した製品が「アクティブフィールド」である。グループテーブル・パーソナルテーブル・折りたたみテーブル・組合せテーブル・ハイテーブルの5種類があり、そのなかで配線の有無や天板形状の異なる16タイプをラインアップされている。
商品開発統括部オフィス商品企画部の柴田慶太氏は同シリーズについて、「テーブルタイプですので、人数の増減にも対応しながら、さまざまなワークシーンに対応します。折りたたみテーブルタイプなら繁忙期にはテーブルを出して利用し、人数が減ったら折りたたんでストックしておくというような使い方もできます。テーブルタイプのメリットを生かし、使用時の方向性を持たせないようにしており、例えば配線機能ではテーブルのどこに座っても電源を取りやすくしています。プロジェクト単位で業務を行っていくとフリーアドレスでの作業も多くなるので、手荷物を掛けやすくするためのフックを取り付けているほか、キャスターを付けてワークシーンに対応しながらレイアウトを変更しやすいようにしています。特に折りたたみテーブルタイプには使い方に工夫を盛り込み、どの方向からでもアクセスすることが可能となっています」と語る。
「アクティブフィールド」はワーカー自身が業務の内容に合わせながら自在にレイアウトを変え、働き方をサポートする製品であり、オープンオフィスで利用することによって部門間のコミュニケーションを活発化させ、情報共有がしやすくなるという効果を生む。 イトーキ社内でも、京橋の「イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(シンカ)」のセミナールームで折りたたみテーブルを導入しており、社内のセミナーや外部とのセッションといったさまざまな形で利用されている。
柴田氏によると「SYNQAではコンパクトな構造で、人数や業務内容によってその場でシチュエーションを簡単に変えることができるので、セミナーはもちろん、打ち合わせのミーティングに利用しています。折りたたむ際の天板の跳ね上げ操作を軽くしたことで女性でも操作しやすく好評です。実際に使用してみると以前の固定席ではやりにくいと感じていた部署間でのコミュニケーションが取りやすくなり、情報交換や情報共有を円滑に行うことができるようになりました。『アクティブフィールド』によって自分の働く場所に応じて働き方を選択することで、効率を上げることが可能になりました」と語った。