不動産トピックス

今週の一冊

2016.03.07 12:28

投資も「好きこそものの上手なれ」

ベトナム不動産投資
著者:有馬 壽志
出版:平成27年6月20日
発行:あっぷる出版社
価格:1500円(税別)


 海外不動産投資先としてのベトナム。昨年7月よりベトナム非居住者もこの市場に参入することが可能となった。不動産投資先としての東南アジアは成長途上の国が多く、多くのプレイヤーがこの地域に投資する。
 『ベトナム不動産投資』の著者・有馬壽志氏はベトナムへの不動産投資の魅力をいくつか挙げているが、投資に関してのものをピックアップすると政治・治安の安定性、災害の少なさ、都市の成熟度と比べて物件価格が割安であること、不動産登記ができ、固定資産税がないことが挙げられる。またベトナム国民の平均年齢の若さや人口増加は将来にわたっての経済成長が見込めることの証左として捉えることが可能だ。また多くのインフラ開発も進んでいる。ここから、いま不動産を購入して将来的に売却するときに多くのキャピタルゲインを得られることが期待できる。
 しかしながら、有馬氏の視点はそのような金銭的メリットだけでベトナムを勧めているのではない。「不動産に投資しようとする国が、自分の好きな国かどうかが決定的な要因でなければならない」と語る。海外不動産投資の場合、投資額は安くても内装工事費や現地滞在費用、また建築竣工時期が遅れがちであるなど日本の不動産とは慣習が異なるために、「思惑外のお金と時間」がかかる。自分が好きな国であるならば、その国の文化や風俗を知りたいと思うのは自然な成り行きであろう。有馬氏の好きな国への投資はそのような日本との違いでつまずかないためのコツである。
 そして物件にも愛着を持つことを有馬氏は勧める。愛着を持って内装やデザインを凝らし、メンテナンスを行うことで将来的な売却益も高まるからだ。




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