不動産トピックス
クローズアップ 遮音性能編
2016.03.21 16:22
ここ数年、賃貸マンションで趣味の音楽を楽しむために遮音性能を施した「音楽マンション」のニーズが高まっている。今回紹介する企業の「音楽マンション」の遮音性も高性能で、ビルに利用することで差別化も可能と思われる。記事を参考に「音楽ビル」という建物を検討してはいかがか。
リブラン 音楽を堪能「MISISION」という選択肢
遮音構造の賃貸マンション「MUSISION」を東京都・神奈川県・埼玉県の1都2県で展開しているリブラン(東京都板橋区)では、今月26日に、新しく竣工した「MUSISION野方brio」の入居を開始する。
「MUSISION」は音楽を存分に楽しみたいと思う人の要望を叶えた賃貸マンションで、プロの演奏にも充分対応出来る高性能な遮音性能を特長としている。特に新しく竣工した「MUSISION野方brio」は、従来の遮音性能から更に向上させ、金管楽器でも24時間の音楽を堪能できる。
ミュージション事業部部長代理の田代聡夫氏は「『MUSISION野方brio』は、今まで提供していた目標値の遮音性能D―75から、2段上のD―85までに向上させました」と語る。
遮音性能とは室外から室内に侵入する音・漏れる音をどれほど遮ることができるかを表すもので、例えばピアノの音90~100デシベル(音源室の音圧レベル)が、20~30デシベル(受音室の音圧レベル)に軽減された場合、遮音性能「D―70」と現す。ちなみにこの数値がD―70までになると、ピアノの演奏音が隣の部屋から全く聞こえない状態となり、それよりも高いD―85に至ってはアンサンブルが可能となった。
また「MUSISION」は「音楽を堪能できる」という付加価値を与えて、マンション業界に生活と演奏の場をひとつにした「理想空間」の実現を可能とした。ピンポイントで入居希望者を集めることができ、当マンションのように環状七号線に面するという立地によるマイナス要因も解消できた。同氏は「10年・15年経っても、隣接するマンションと張り合えるほどの付加価値を提供できます。これだけ高性能な遮音性能を実現できた企業は当社のみではないでしょうか」と話す。
越野建設 自宅で楽器の演奏を満喫できる音楽賃貸住宅をコンセプト
越野建設(東京都北区)は、「自宅で楽器演奏を満喫できる賃貸住宅」をコンセプトとした楽器演奏愛好家に向け展開するブランド「音楽マンション」シリーズの第14・15弾物件「グラシア」、「フロイデ」ならびに、第16弾物件「シルヴァン田端」の竣工を発表した。
越野建設が展開するコンセプト型賃貸マンション「音楽マンション」は、結晶化コンクリートを建物全体に採用し、更に遮音換気装置などの専用設備による高い遮音性を実現している。企画開発部マーケティングチーム主任の土屋貴之氏は「『楽器演奏も可能』と入居者を募集している遮音性能を施した賃貸マンションを良く見かけますが、その多くが演奏を考慮した設計や設備はなく、空室を埋めるためのケースが多いです。また、空室を埋めるために、音楽マンションとして入居者を募集している『普通の賃貸住宅』も少なくないのが現状です」と語る。
入居者が楽器演奏者や音楽愛好家であり、音楽を好む人同士の自然な共同体意識が生まれるため、演奏音でのトラブルが起きにくく、空室も発生しにくい。また楽器演奏が可能な賃貸マンションは、一般的な賃貸マンションに比べて賃料が高いケースが多く、練習の為に月に何度も借りるスタジオ利用料金を考えて、音楽マンションに入居したのに、負担額がさほど変わらないケースもなかにはある。同社の「音楽マンション」の賃料は、同じエリアにある同程度の賃貸物件の賃料にプラス1割程度のリーズナブルな賃料で提供している。
土屋氏は「今後ビル業界でも遮音性を施した『音楽ビル』が誕生し、注目されることがあるかも知れないです。その時に質の良いサービスと遮音性能を提供できるよう、今後も技術開発に余念がないです」と語る。
島村楽器 演奏目的の防音だけでなく外部の音を遮断する目的で導入
島村楽器(東京都江戸川区)は、2拠点目となる防音専門店「島村楽器 防音ショールーム 市川コルトンプラザ店」を、昨年12月にオープンした。これで島村楽器は38都道府県に160拠点を展開することになった。
防音室は防音・遮音・吸音・調音・消音などの性能を持ち、広さや防音性能の段階に応じて15部屋のバリエーションを提供可能である。また同ショールームでは、各メーカーの防音室を1箇所で比較できるほど、品数も豊富に揃えている。
ユニット型以外にも、部屋をまるごと防音室にする防音工事の相談も対応可能で、室内の改装や新築時の導入はもちろんのこと、企業からの「自社ビルの一室をプライバシーを確保して会話ができる部屋にしたい」などの要望に応えた実績も持つ。また近年、演奏目的の防音室だけでなく、外部の音を遮断する目的で防音設備を自宅やオフィスに導入する人が急増しており、静かな環境で読書や睡眠、仕事がしたいという人向けのプライベート室や憩いの場を提供するケースも増加している。