不動産トピックス

クローズアップ 駐車場編

2016.04.25 17:36

 遊休地の活用手段の一つといえる駐車場。近年、好況を呈する不動産業界においては駐車場利用は少なくなりつつある。しかし、需要はますます高りを見せている。今回は駐車場利用における最新のサービス、製品を紹介する。

オプテックス コインパーキング向け車両検知センサ 施工期間を従来の約半分に削減
 オプテックス(滋賀県大津市)は埋設不要で施工性の高いコインパーキング向け車両検知センサを開発。第一弾としてゲート式駐車場用の車両検知センサ「ViiK Gate(ビークゲート)」を販売している。
 駐車場経営は、遊休地の有効活用として用いられ、契約期間が2年で更新されることが多い。駐車場設備の施工と撤去において工事の簡易化が求められている。無人で車の入出庫を管理するためのセンサとして現在主流なのは地中に埋設するループコイルは電線をループ状に巻いたもので、ループコイル式の車両検知は車両の金属部分による信号変化を利用して車両の有無を検知。駐車券の発行、ゲートバーの開閉、車両の満室表示に使用される。だが、ループコイルの設置には地面を掘り起こす作業が必要で、アスファルト舗装や配線により大掛かりな工事となる。メンテナンスにも時間と費用を要するので近年商業施設やビルの地下駐車場などにおいてループコイル埋設禁止の動きも進みつつある。
 国内営業本部ソリューション営業部の増沢渉氏は「当製品は埋設工事が不要でポールに設置できるため、従来は約6日間要した工期を約3日間の半分に短縮できるとともにループコイル式の課題とされていた設置ミスや交渉時かかる手間を省力化です。1日でも早くオープンしたいオーナーにとって非常に大きなメリットにもなります。商業施設においても設立後に駐車場をコインパーキング化する際、駐車場を封鎖する必要がありません」と話す。
 また、同社は主力である防犯センサで培った屋外で強いセンシング技術を応用し、降雨・除雪・風の影響を受ける屋外環境においても安心して活用できるのも強みといえる。
 「今後、駐車場以外にも使えるシーンがあると考えています。それらを包括する要素といえる製品です」と更なる普及を目指す。

シェアリングサービス 予約できる駐車場サービス整備計画スタート
オンラインパーキングと湘南ベルマーレが提携
 オンラインパーキング「トメレタ」を運営するシェアリングサービス(東京都新宿区)は日本サッカーリーグ(Jリーグ)1部の湘南ベルマーレをマネジメントする湘南ベルマーレ(神奈川県平塚市)と連携し16日より本拠地「Shonan BMW スタジアム平塚」で開催されるサッカー公式戦当日に発生するスタジアム周辺の違法駐車防止・交通渋滞緩和に共同で取り組んでいく。
 同社が提供する「トメレタ」は利用者が事前にパソコンやスマートフォンで駐車場の検索・予約が可能、駐車場料金をオンラインで決済できるサービス。個人宅や企業、公共施設が空きスペースを1日貸し駐車場として貸し出すことができるイノベーションサービス。駐車場開始にあたり土地オーナーは一切の設備投資が不要。駐車場が利用される度に利用料金として報酬が支払われる仕組みとなっている。
 代表取締役社長の松橋淳人氏は「スタジアム周辺道路は大会当日ともなると各地から車を利用しての観戦者で交通量が増大します。違法駐車や駐車場待ち、駐車場探しの低速運転による交通渋滞が発生するケースも少なくありません。今回、『トメレタ』を用いた駐車場サービスを用いることで試合当日だけ活用できるのがポイントです。地元にも収益をもたらす要素となり、ニーズとマッチングしたサービスといえます」と話す。
 発表当日に湘南ベルマーレのホームページにも紹介したところアクセス数が急上昇。その日のうちに全ての予約が埋まったという。
 松橋氏は「今後はサッカースタジアムだけでなく様々なイベントで当社の『トメレタ』を推進していき、1台でも駐車できるスペースを供給できるようにしていきたいと思います」と意気込みを語る。


エスキュービズム・テクノロジー スマホで駐車場の空き状況を確認・予約・決済 駐車場IoTソリューション
 エスキュービズム・テクノロジー(東京都港区)は、車番認識カメラやセンサーを内蔵したポール(柱)を駐車場に設置し、スマホを通じて駐車場の空き状況確認、予約から決済までできる法人向けIoTソリューション「eCoPA(エコパ)」を販売している。
 「エコパ」はフラップ板や精算機が不要で、駐車スペースの満室管理が簡易に行えるため、店舗の駐車場管理や遊休地を活用しての駐車場運営など幅広い分野で駐車スペースの有効利用が図れる。利用者は出かける前に登録された飲食店や商業施設などの駐車場の状況をスマートフォンで把握し予約、決済することが可能。
 「エコパ」はカメラまたはセンサーを内蔵したポールでスペースの駐車状況を把握し、クラウド上に混雑情報をリアルタイムで公開。また、駐車した車のナンバープレートをカメラで読み取り、無断駐車の抑止など防犯システムとしても活用ができる。フラップ板と精算機によるこれまでの駐車場と比べ、設置が容易。少ない投資で駐車場の運営が行える。




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