不動産トピックス

クローズアップ 省エネ製品編

2016.05.02 16:26

昨今の省エネ製品は電気使用量の削減だけでなく、快適な環境づくりも含めた提供が一般化されつつある。今回はその2つの特長が備わった「省エネ製品」を様々なジャンルから紹介する。快適なオフィス環境づくりの参考になればと思う。

空調服 空間ではなく個人を冷却 少ないエネルギーで快適さを追求
 空調服(東京都板橋区)が提供している製品「空調服」は、左右の腰まわりにファンを取り付けることで外気を取り込み、汗の蒸発で生じる気化熱を利用して身体を冷却する空調アイテム。
 代表取締役の市ヶ谷透氏は「当社の製品である『空調服』は室内全体を冷却するのではなく個人を冷却することによって、体感温度の個人差に関係なく高い冷房効果を発揮します。それによって冷房の温度を上げることができ、コスト削減を期待することが可能です」と話す。
 屋外の炎天下の中で作業を行う建設作業員から好評を得ているほか、オフィスでの使用を想定したYシャツ型の空調服も発売されている。
 また「空調服」の原理を利用して開発されたのが「エアクールクッション」。ファンから外気を大量に取り込み、内部のメッシュ構造「スーパースペーサー」が空気の通り道として機能する。臀部や太股のたまった熱や湿気を排出させることによって冷却。また厚手のクッションも一緒に内蔵されているため座り心地も快適となっている。
 市ヶ谷氏はクッションについて「服とクッションを組み合わせることによって冷却効果や快適性の相乗効果を発揮することができます。夏場に長時間椅子に座っていても不快を感じずに作業することが可能なため、作業効率の向上を予測しています。同じクッションタイプに『どこでも座クール』という製品もありますが、こちらは丸めて持ち運びが可能で室内はもちろん、スポーツ観戦といった屋外での使用も可能です」と話す。
 両製品の省エネ効果については、服によって冷却するため大規模な空調設備を必要としない。そのため冷房能力を3%~18%を削減することが可能。電気料金も工場の場合は3%~20%、オフィスの場合は5%~24%削減できる。
 「大掛かりな設備を必要とせず、少ないエネルギーでも快適な空間を作りだすことを追求した結果、『空調服』に辿りつきました。直接風が当たることに不快に感じることを心配する声もありますが、リモコンによって強弱を調整できるので快適さを損なうことなく、空調を利用することができます。これまでは屋外で作業を行っている人が主なターゲットでしたが、オフィスワーカー向けの製品も開発しています。場面を問わずに快適な空間を提供していくことを目的に、今後も開発を進めていきます」(市ヶ谷氏)


コアテック 長時間移動でも大幅に省エネ 天井放置型の空気除菌脱臭装置
 高知県南国市に本社を構えるコアテックは、省エネルギーによる長時間稼働を特長とした空気清浄機「コア・マイスターホープHシリーズ」の提供を行っている。
 「コア・マイスターホープHシリーズ」は天井に吊るす「空気除菌脱臭装置」。不特定多数の人が集まる場所、特に室内にて臭いが気になる場合にそれら臭いを解消する。主に医療施設や老健施設、学校・保育園、食品関係工場に導入されており、また同製品は薄型ボディで圧迫感がないため、簡単に設置できる。
 「コア・マイスターホープHシリーズ」は、省エネルギーによる長時間稼働が特長。同製品は主に、室内で長時間稼働させ続けるケースが大半である。従来のものでは医療・老健施設、オフィスフロアに設置されると、フロア内に人が滞在する限り稼働し続けるため、従来の空気清浄機では消費電力が大幅に掛かっていた。しかし同製品は、長時間に及ぶ稼働でも電力消費量を抑えることができる。施設の消費電力削減につながるだけでなく、環境にも配慮することができる。
 東京支店営業部の永田仁氏は「除菌・脱臭・集塵の機能も付与しており、設置した室内では浮遊菌やウイルスの不活化にも成功しています。ウイルスの不活化試験では、A型インフルエンザウイルスを99・99%以上不活化することに成功しました」と語る。省エネだけでなく、清潔な環境維持も同製品の特長だ。


アイリスオーヤマ 不燃かつ高い剛性高い安全性を誇る
 アイリスオーヤマ(宮城県仙台市)は直管LEDランプ「エコハイルクスHESGーF」を発売している。
 特長はガラス管を採用していることで、不燃性で軽量かつ高い剛性を実現しており、ランプ全体を飛散防止フィルムで覆っていため、破損した場合でもガラス片が飛び散ることがない。
 そのため不燃性を必要としている地下鉄の駅や車両、食品工場等の安全性が求められている施設でも安全に使用することが可能な製品である。




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