不動産トピックス

クローズアップ 家具・家電レンタル編

2016.06.13 17:36

 賃貸物件において、家具・家電付きという視点は付加価値の向上策として有効な物となっている。また、シェアハウスやホテルなどでもレンタル家具・家電はニーズがある。そのなかでオーナーのニーズに応えられるサービスはどれか。

ゲンキの平和堂 リサイクル事業者が不動産業界に助け舟 高付加価値物件を支援する法人向け販売サービス開始
 民泊やホテル、シェアハウスなど不動産業界のホットな分野にリサイクル事業者がビジネス支援に打って出た。
 リサイクルショップ「リサイクルモールみっけ」を運営しているゲンキの平和堂(千葉県柏市)は先月18日に冷蔵庫在庫が150台以上を突破、これを機に不動産事業者などへの法人向け販売を開始すると発表した。
 同社ではこれまでも特定の事業者に販売はしてきたものの、在庫数が少なく大々的な展開は控えてきた。一方で、不動産オーナーや管理会社側は家具付きの物件を展開していくときに新品で揃えるとなると利回りの低下が懸念される。このような背景から、新品同様だが割安な製品に対するニーズは不動産業界のなかでもくすぶっていた。
 リサイクル事業部戦略開発室室長の辻村康氏は「今回、冷蔵庫在庫が150台以上を突破し、また当社の仕入れルートも確保できたことでこのようなサービスを始めることが可能になりました」と話す。同氏によれば、他のリサイクル事業者が類似のサービスを行うことは難しい。なぜなら「そこまでの在庫を抱えるだけのスペースがない」(辻村氏)からだ。
 「当社でもサービス開始前より不動産事業者からの問い合わせを頂いていました。近年の入居者の傾向として、家具付きを求める傾向もあるようで、不動産事業者にとっては悩みの種であったと思います。当社の冷蔵庫在庫は平成22年製以降の高年式の商品をクリーニングしてご提供いたしますので、新品同様の価値を割安でご提供することができます」(辻村氏)
 このサービスの提供エリアは現段階では関東圏だが、辻村氏は「今後、全国展開も考えている」と話す。また、サービスも販売だけでなくレンタル方式など、様々なメニューを実施していく予定で、製品に関しても冷蔵庫以外にも広げていく考えだ。
 不動産賃貸の可能性を拡張する新サービスに期待は高まっている。

RIG 豊富なメニューで家具・家電からスポット利用にも対応
 RIG(名古屋市守山区)ではセットの家具・家電から高圧洗浄機、イベント用品、オフィスレンタル用品、モバイルWi―fiルーターなどの全般的なレンタル事業「レンタルプロント」を行っている。
 同社では法人向けレンタルシステムを展開しており、初期導入費用・空室時のレンタル料金・修理交換費用・設置改修費用のいずれもが0円と、オーナーにとってのメリットの高いものとなっている。
 同社の特長は家具・家電のほかにも生活用品も充実していることだ。レンタル商品のメニューとしては、掃除用品やモバイルWi―fiルーター、工具、自転車など、その豊富なラインアップは他を圧倒している。そのため、スポットでニーズのある製品についても随時レンタルが可能であるなど、非常に利便性が高い。実際に同社ではこれまでオーナーや管理会社への導入実績も多くあり、入居率のアップにつながっているという。
 愛知・岐阜・三重県内の場合には配送・設置が無料となっており、中部・関西・関東の一部においても配送料は無料、それ以外の地域は有料となる。また全ての製品が製造より5年以内のものとなっている。
 同社ではモデルルーム向けの家具・家電レンタルも行っている。空室対策としての付加価値としてはもちろんのこと、物件の魅力を向上させ入居者をつけたいオーナーは必見だ。

シティブレイン 家具・家電レンタルパックを展開 物件バリューアップに最適
 シティブレイン(山口県周南市)は家具・家電レンタルパック「借りたいくん」を不動産オーナーや個人・法人向けにサービス展開を行っている。家具・家電は国内有名ブランドの製品を新品だ。契約期間は1~5年となっておりこの間は万一、家電製品が故障しても全国に店舗を持つヤマダ電機が修理対応する。またレンタル終了後は同社で処分を行う。
 不動産オーナーにとってこのようなサービスを利用するのは、新しい入居ニーズや空室を増やさず、長期化させないための付加価値向上策だ。特に家具付き賃貸物件にすることによって法人契約による契約が増えるケースもある。オーナーにとって滞納リスクが低くなりメリットも高い。
 また不動産仲介業者にとっても物件紹介の幅が広がり、入居者を効果的につけることが可能になっている。
 同社ではこの家電レンタル、家具レンタルのほかにもエアコンレンタルもサービスとして展開しており、北海道から沖縄まで全国に対応している。付加価値向上や空室対策などを求めるオーナーは検討してみるのも手ではないだろうか。




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