不動産トピックス

今週の一冊

2016.07.18 16:54

空き家増加の背景にある相続の実態

ひと目でわかる!図解「実家」の相続
著者 税理士法人レガシィ
出版 青春出版社
発行 平成28年4月5日
価格 1300円(税別)

 かつての日本は、「家」に何世代もの家族が暮らし、代々その「家」を相続してきた。しかし核家族化や少子高齢化が著しい現代においては、居住の実態のない「実家」の相続というケースも散見されるようになってきた。本書は相続専門の税理士事務所が、これまでのノウハウや実績をベースに、改正税法やマイナンバー制度に対応したこれからの時代における「実家」の相続について解説している。
 国内の住宅のおよそ7軒に1軒は、居住者のいない空き家であると言われている。長寿命化が進んだ日本では「実家」を相続するタイミングが徐々に高齢化し、相続人が既に他の土地で住居を構え、「実家」の相続が困難になってしまい、結果的に「実家」が空き家になってしまうのだ。当然ながら空き家といえども「実家」の維持には費用がかかる。相続人に負担をかけない「実家」の相続対策が、空き家の増加を食い止める効果も生み出すといえる。また、相続に関して気になるのは、相続人間の「争族」問題だろう。多くの相続を見てきた著者である税理士事務所は、相続財産が少ない事例ほど「争族」に発展しやすいと指摘。感情論で考えるのではなく、相続人それぞれの事情を考慮した上で第三者的視点から冷静な対処が相続では求められるとしている。




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