不動産トピックス
クローズアップ 芳香製品編
2016.07.18 16:52
窓ガラスやパーテションなど、ビルの中でガラスが使われる場面は数多い。そうしたなくてはならない物であるガラスに手を加えることで、価値を向上させることができる製品を紹介する。
ピュアソン スプレーするだけで高い遮熱・断熱性能
ピュアソン(東京都豊島区)のガラス用透明遮熱・断熱塗料「ガラス革命」はスプレーで塗布するだけで、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境をつくり出し電力コストやCO2の削減を実現することができる製品。
太陽光は紫外線、可視光線、赤外線の3種の波長域で構成されており、物体の温度の変化には赤外線の吸収と放射が大きく関係している。熱の放射とは狭義には赤外線による伝熱形態のことを指し、赤外線は物質に吸収されることで加熱して熱発生の極めて大きな要因となっている。
「ガラス革命」はガラスに塗布しコーティングを施すことで、その赤外線を約70%、また紫外線も約90%吸収カットすることができる。また従来品のように光を反射させるのではなく塗膜表面に分散・蓄積する仕組みとなっているため周囲が反射によって眩しくなってしまったり熱されたりすることがない。さらにこうした効果を持ちながら可視光透過率80%以上とガラスの透明性を損なうことはない。遮熱・断熱効果によって冷暖房費を削減することができ、一般的にはおよそ3~4年で同製品の施工費は回収可能。一年中冷暖房を稼働させている建物であれば1年間で回収可能な事例も存在している。
同製品はスプレー施工であることに加えて、建物の外側からではなく内側からでも行うことができるため非常に簡便。特殊なメンテナンスは不要で通常の拭き掃除のみで10年以上効果を維持することができるとされており、実際に既に13年以上経過しても問題なく効果を発揮し続けている事例も存在している。
「ガラス革命」は美術館のような公共性の高い施設やG7伊勢志摩サミットでも使われており、また世界11カ国で特許を取得している。信頼性の高い製品といえるだろう。
荻野塗料 光触媒でガラスを綺麗に保つ
荻野塗料(神奈川県藤沢市)の光触媒ガラスコーティング「クリーンなの工法」は、ガラス表面に透明で強固な光触媒酸化チタン膜を形成するコーティング工法。光触媒分解(有機物を分解する)と光触媒超親水性(水に馴染みやすい表面にする)の両作用が、「汚れ」を付着しにくく、洗い落とし易くする力を発揮することで、ガラス特有の透明な美しさを長期間保つことができるものである。
光触媒ガラスコーティングには、アンダーコートなど複層コートは必要なく、光触媒コーティング1層のみで終了するため施工が簡単なのが特長。また、スプレー塗布方式であるためガラス面の形状・サイズへの柔軟な対応が可能となっている。ガラス表面上に形成された光触媒膜に、紫外線があたるとその表面では超親水性作用が発現し、膜表面は大気中の水分で薄く覆われ水になじみやすくなり汚れが付着しにくくなる。有機物分解作用も発現し、汚れ(有機物)を分解し付着力を弱める。汚れの付着力が弱まっているところへ雨が降ると、雨水は水になじみやすくなっている光触媒膜表面で厚い水膜となり、徐々に汚れと光触媒膜との界面にもぐりこんでいく。十分な雨水により、水膜は汚れを浮かせながら下方へ流れ落ちる力によって汚れを洗い落としていく。
また、光触媒膜表面は超親水性作用により水に馴染み易くなっており、雨水は薄膜となって広がり表面は平滑性が保たれるため表面で光の散乱(乱反射)は低く抑えられるためクリアーな視界が維持されることになる。
同工法は太陽光と雨(水)だけで効果を発揮することができる環境にやさしい技術であることも特長の一つ。また、長期間ガラスをきれいに保てるため清掃回数の削減を図ることもできる。
荻野塗料は平成12年10月の同工法の展開開始から、オフィスビル・公共施設等で豊富な経験を積み重ねている。塗膜はとても耐久性が高く、一度コーティングを行うと10年以上リコートは不要。同社が行った環境促進曝露試験(QUV使用)の結果では20年以上塗膜の親水性を保つデータも出ている。
ビーキャット 透明・不透明の切り替え自由 機能性液晶ブラインドフィルム
ビーキャット(横浜市中区)が販売する機能性液晶ブラインドフィルム「Kasmy(カスミィ)」は電源のオン・オフで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶フィルム。ブラインドとして用いるほか、投射スクリーンとしても用いることができる。
「現在のオフィスではカーテンをなるべく無くしたいという要望が多くありますが、『Kasmy』はそれに応えることができる製品です。例えば室内のガラスパーテーションに使用する場合であれば、通常時は透明な状態にしておき会議の時など必要な時だけ不透明にして目隠しをするなど、状況に応じて使い分けることができます。また電源をオフにした不透明時にはプロジェクタースクリーンとしても用いることができるため、道路に面した窓にコマーシャルを投射して宣伝に活用するような使い方もできます」(副社長 宮崎 徹氏)
同製品には現在発売している既存の窓ガラスに貼り付けて使うフィルムタイプの「Kasmy貼るタイプ」と、近日発売予定であるあらかじめガラスに同製品を組み込んだ「Kasmy合わせガラスタイプ」の2タイプがある。最大1200×3400mmでオーダーにあわせてサイズを調整して製作するようになっており、店舗やオフィスの大きな窓にも対応できる。また紫外線を99%カットすることができるため家具やカーテンなどの退色・劣化を防ぐことが可能だ。不透明時の色はホワイト、ライトグレー、ダークグレーの3色が基本色。合わせガラスタイプは最高基準の安全性を持つガラスを使っているため、貼るタイプも持つブラインド機能に加えて高い強度や防音性能、割れても飛散しない防災性を備えた製品となっている。
「現在『Kasmy合わせガラスタイプ』の発売に合わせて営業を強化しており、今後名古屋や仙台などで行われる展示会にも出展予定です。興味がございましたらお気軽にお問い合わせください」(宮崎氏)