不動産トピックス

クローズアップ 床材編

2016.08.29 10:34

 床材と一口にいってもその種類は千差万別。フローリング材やカーペット、Pタイル、長尺シート等々。使用用途を見極めて適した場所に設置すれば不動産における質感も向上するだろう。今回は最新の製品を紹介する。

大建工業 厚さわずか4.7mmのフローリング 組み合わせの幅を拡げる床材
 内装建材を取り扱う大建工業(大阪市北区)は総厚わずか4・7mmのWPCフローリング材の「デザインタフ エンブ」を販売している。一般的にフローリングはタイルやカーペットといった仕上げ材よりも厚く、併用することによって段差が生じていた。「デザインタフ エンブ」は同社独自のWPC技術を生かして厚さを約5mmまでに抑えることに成功。これにより他の仕上げ材との納まりをよくし、つまづきの防止、省施工に貢献している。
 WPCとは木材組織にプラスチック樹脂を注入・充填し、硬化させる同社独自の加工技術。これにより天然木の持つ自然な美しさや風合いを保ちつつ、優れた耐摩耗性・耐傷性・耐汚染性を可能にした。
 市場開発部内装課の江村賢課長は「国産材の多くを占める杉は非常に柔らかくかつ軽量であったため、床材として活用するには耐久性の低さが課題でした。WPC加工を行うことにより、フローリングに最適な硬度と上質な味わいを両立しました」と話す。
 WPC加工が施された「デザインタフ エンブ」は現在、様々な商業物件にて採用されている。他の仕上げ材と干渉することなく施工できるため多種多様な床材との組み合わせが可能。床面のデザイン設計の幅をさらに拡げることを可能としている。
 「今後は商業物件もちろんですが、オフィスビル内のエントランス部分をはじめとする共用部、リフレッシュゾーンにも活用していただけるよう普及していきたいと思います」と江村氏は意気込みを語った。


北洲 最新のエンボス加工を採用 限りなく天然木に近いラミネートフロア
 建設資材を販売する北洲(宮城県黒川郡)はラミネートフロアの第2弾として、最新の特殊エンボス加工技術により限りなく天然木に近い高級感と木質感を実現したユニリン社(ベルギー)製の「ペルゴフロア」を販売している。
 ラミネートフロアは欧米を中心に普及している耐摩耗性と耐衝撃性に優れた床材。「ペルゴフロア」は基材に高硬度のHDF(高密度繊維板)を使用し表面に酸化アルミニウムを含んだシートを熱圧着しているため汚れがつきにくくかつ、ワックスがけが不要。さらに接着剤や釘を使用しない特殊なサネを持った「パーフェクトフォールド板」を用いた施工システムにより合板フロアに比べ35%以上の工期短縮を実現し従来のラミネートフロアと比べても格段に施工性が向上している。
 施工場所も施設においては店舗やオフィス、ホテル、医療施設。住宅では戸建て、マンション、アパート。新築からリフォームまであらゆる現場に対応している。
 また、最新のエンボス加工技術「レジスターエンボス」により節や木目の流れるような凹凸感を表面シートに施し、高級感のある4種類のデザインをそろえている。
 フロアの構造は一番上に耐摩耗性に優れた表面シートをし、その下にメラミン樹脂含浸の木目調表面装飾、高密度繊維板(HDF)、4方サネ形状のパーフェクトフォールド板、バランスフィルムの5層からなっている。


エービーシー商会 短期施工を実現 5mm厚の薄塗り研ぎ出し床仕上げ材
 建材の開発、製造、輸入、販売を行うエービーシー商会(東京都千代田区)は速硬性に優れた従来商品「ヴェレージア」をベースに、工期短縮とデザイン性を併せ持つ無機系研ぎ出し床仕上材「ヴェレージアTR」を発売している。
 通常、研ぎ出し床は主材施工後に乾燥時間が必要となるため、研磨工程までに数日間の養生期間を要していた。それを解決し主材施工翌日には研磨工程ができるのが同製品の特徴となっている。また、5mm厚の薄く平滑な床に仕上がるため、改修・改装にも適している。また、バインダー色と骨材の組み合わせにより多彩なデザインを可能としている。タイル張りとは異なる大きな目地割り設定により、オリジナリティーあふれる床を演出する。
 主な適用場所としては商業施設やショッピングモール、店舗などを想定。価格は材工設計価格(100㎡以上)でオフホワイトは2万6000円/㎡、グレー、ライトグレー、ベージュは2万7500円/㎡となっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube