不動産トピックス

第2回ビル経営アワードノミネート物件紹介

2016.09.12 16:20

ノミネートNo.13
弦本ビル
弦本ビル

所在地:東京都千代田区神田錦町3-11
所有形態:個人所有
備考:2階をコワーキングスペースにしてイベントや交流の場に

 都営新宿線・東京メトロ半蔵門線「神保町」駅から徒歩5分ほどの場所に立地する「弦本ビル」。オーナーの弦本卓也氏は平成27年3月、弱冠27歳で同ビルを購入。昭和54年竣工で、購入当時で築30年以上が経過。通常賃貸では厳しさも出てくる年数であるが、同ビルはどのような再生を辿ってきたか。
 「購入した当初、1階部分のみテナントが入居していて他は空の状態だったので、テナント探しに奔走しました。そのなかで知り合ったのが現在2階に入居する『TOKYO PRODUCERS HOUSE(通称…プロハ)』(東京都千代田区)でした」(弦本氏)
 ただ築年数の経過が示しているように、ビルの内装は弦本氏曰く「昭和のビルという感じでした」。そこで、2階フロアを使用するにあたって原状回復義務を無くし自由な改装を行うことを可能にした。前オーナーの時には麻雀店として使用されていたフロアを、電気配線部分を除いて、天井・壁などの改装をDIYで行うことになった。建設業者などではない、20代のプロハの会員たちが工具を用いて以前の内装を解体していく様子を思い出して同氏は「不安もよぎりました」と苦笑する。
 改装工事は7日間という期間で、昨年11月に完成。昭和らしさが残っていたフロアは黒を基調としたモダンな空間に生まれ変わって、若者が集まるに相応しい場所となった。現在ではイベントスペース・交流の場として稼働しており、20代、30代の若者を中心にしてコミュニティを形成している。それに加えて、今年の8月には「弦本ビル」と「プロハ」の軌跡や、入居者の物語を追った書籍『PRODUCERS』が出版された。
 食・住・職でビルを構成し、平均年齢20代後半の入居者が集うビル。ビル経営に新しい風が吹き込んでいる。


ノミネートNo.14
駒込Kビル
駒込Kビル

所在地:東京都北区中里1-10-6
延床面積:709.00㎡
竣工;平成3年
所有形態:個人所有

 東京・駒込に立地する「駒込Kビル」。近隣ではここ数年マンション開発が盛んにおこなわれており、居住エリアとしての人気が高い。
「駒込Kビル」の入居テナントも一般のオフィスのほか、学習塾やピラティス教室などで構成され、地域に根差した居る経営が行われている。竣工から約25年が経過する同ビルでは、管理責任者を務める小島雄一氏が主導し順次リニューアルが実施されている。昨年は共用部における照明リニューアルを実施して省エネ効果の高いLED照明を導入。今年に入ってからはエレベーターのモーター内の部品交換を実施しており、今後、実施期間は未定ではあるが、本格的なエレベーターリニューアルに着手する考えだ。
 直近では、10月中旬よりビル外装のリニューアル工事を実施する予定である。工事は仮設工事で始まり、屋上、外壁の防水・シーリング工事、外壁の洗浄及び塗装工事、外壁タイルの打診調査及び補修工事を計画。工事期間は1カ月を予定している。工事を担当するのは地元・駒込の建設会社、北都建設(東京都北区)である。
 「北都建設は一級建築士の有資格者が多く豊富な実績を有しており、周辺地区の建設会社・工務店の中でも最も高い技術を持ち、信頼の厚い建設会社です」(小島氏)
 今回の外装リニューアルの施工担当である北都建設は、現在「駒込Kビル」向かいにおいて新築のマンションを建築中。こちらは間もなく竣工予定で、その後隣接するビルのリニューアル工事を担当し、「駒込Kビル」のリニューアル工事に着手するのはその後となる。小島氏はかねてより「血の通ったビル経営」を信条とし、入居テナントの安全や利便性を第一に考えた経営を行ってきた。各種のリニューアル工事はこの経営方針に則って順次実施しているものであり、小島氏によれば、今後も入居テナントの利便性向上に資するリニューアル工事を実施していく考えだ。

〇改修のポイント
 敷地角に面した部分の湾曲した形状が特徴的な外観の「駒込Kビル」。外装リニューアルでは防水・洗浄・タイル補修などの工事を実施して、更なる美観向上、建物の維持延命が図られる。

〇工期
 平成28年10月中旬~平成28年12月中旬(予定)

〇施工
 北都建設




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