不動産トピックス

第2回ビル経営アワードノミネート物件紹介

2016.09.19 14:11

ノミネートNo.19
アサヒ興産
かもん山ガーデンビル

所在地:神奈川県横浜市西区戸部町4-158
規模:地上4階
延床面積:876.96㎡
 アサヒ興産(横浜市西区)が運営・管理する「かもん山ガーデンビル」は横浜市戸部町の閑静な住宅地に佇む。竣工昭和60年の築古ビル。当初、同ビルにはエレベーターがなかった。設置は平成9年。入居したイベント会社が荷物の運搬用にエレベーターの設置を要望したのが契機だった。設置費用はイベント会社とアサヒ興産の折半で合意。貨物運搬用のエレベーターを非常階段の横に設けた。
 代表取締役の小室明久氏は「非常用階段の横に取り付けることであまり大きな費用負担になりませんでした。金額としても1000万円以内に収まりました」と話す。
 緊急の事態が発生したのは昨年のこと。
小室夫人が脳出血で倒れるという不幸が起こった。幸い命に別状はなかったが身体が麻痺。小室家の自宅は同ビルの4階にある。階段での上り下りは困難と判断。これを機に小室氏は人も利用できるエレベーターに改修することを決意せざるをえなかった。
 「昨年9月から改修工事を行っておよそ2カ月で工事は完了しました。今までは表の通り部分からエレベーターの入り口が見えていたのですが、裏手側にすることでできる限り目立たないようにしました。それに伴い塀の改修も合わせて行いました」という。
 改修費用はおよそ600万円。エレベーターの定員は2名まで。多くの人間を運べるわけではないが、規模としては十分。コンパクトな設計で出来上がったエレベーターのおかげでビルの利便性も向上。テナントサービスにも繋がった。


ノミネートNo.20
新東洋企業
新東洋赤坂ビル

所在地:東京都港区赤坂4-9-25
規模;地上10階地下1階
竣工:昭和48年10月
施設面積:約200㎡
所有者:新東洋企業

 東京・赤坂見附に存在する「Hatch Co work+KIDs(ハッチコワークプラスキッズ)
」は子供連れに人気の施設だ。
 輸入車ディーラー、不動産事業を中核とする新東洋企業(東京都港区)の保有ビル「新東洋赤坂ビル」5階で平成24年から自社運営を開始した。新東洋企業・片山勇志社長の妻が子供を出産したことをきっかけに「育児をしながら働ける環境がない」ことを痛感。日本初となる子連れOKのコワーキングスペースづくりに着手した。施設の運営を担う広報営業リーダーの永田睦子氏によると「開業当初は単純に『単に子連れOKのコワーキングスペース』でしたが、結局親が子供の相手をしなくてはならず仕事がはかどらないなど様々な課題が浮上しました。そのため昨年6月から保育補助を行う専任のスタッフを配置した+KIDsサービスを開始」したという。キッズルーム運営リーダーを務める松隈真理子氏をはじめ。保育補助スタッフは常時2名。保育士・幼稚園教諭等の有資格者が在籍している。「キッズスペース開設前の利用者層は起業家が多かったのですが、保育補助サービスを開始してからはフリーランスの方も増え、会員さんの幅が広がりました」と松隈氏は説明する。
 施設全体の広さは約200㎡、そのうちキッズルームは約50㎡。執務環境として約50席を用意した他、オフィス複合機、約7.5mもの壁面ホワイトボード、共有図書コーナー、ミーティングルームも完備している。また施設利用者の交流を促進させるための空間
「IDOBATA(井戸端)」は大型の円卓を配して車座になってミーティングや食事等を楽しめる。一方、キッズルームにはベビーベッドをはじめバウンサーや子供用の椅子、カラフルな玩具を用意。コワーキングスペースとキッズスペースの間仕切り壁は二重ガラスで防音性を高め、仕事をしながら子供の様子を確認できるようにしている。




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