不動産トピックス
クローズアップ 管理システム編
2016.09.19 13:58
ビルのバリューアップのために行う設備更新などはビルのハード面だけではなく、ソフト面においても充実することが必要といえる。その中でも管理システムのグレードアップは手間やコスト削減において必須といえる。
オプテックス 配線・電池交換不要 オープンプロトコルに対応したワイヤレスセンサ・スイッチ
今年で創業37年目を迎えるオプテックス(滋賀県大津市)は屋外用防犯センサ、自動ドアセンサのシェアトップを走るメーカー。防犯や自動ドアという高い信頼性が要求される業界で長年培ったセンシング技術を用いて、ビル管理を効率化するビルオートメーション市場に参入する。
第一弾として、「ワイヤレス在室検知センサ・スイッチ」を投入、オフィスやホテルなどに設置される照明や空調システムなどとセンサを連動させることによって、システムの最適化・室内環境の快適性の向上・省エネルギー化の実現をサポートする。
オープンプロトコルを採用したビルオートメーションシステムは「オープンシステム」と呼ばれており、この中の無線通信規格の一つに「EnOcean(エンオーシャン)」がある。
同製品は配線不要の「EnOcean(エンオーシャン)」を採用しており、「EnOcean」を使ったオープンシステムとの接続・連携が可能である。
コンセプトはレイアウトフリーだ。「EnOcean」対応センサ・スイッチで初の「防水機能」を採用したことで、今まで設置できなかった洗面所などのサニタリー空間や、テラスなどの屋外エリアへの設置も可能。在室検知センサは「ハイブリッド電源」(ソーラーバッテリーとリチウム電池の併用電源)を採用したことで電池交換が不要でメンテナンスコストの低減につながる。照度の低い場所(窓のない会議室や書庫など)への設置も可能だ。
事業戦略統括本部IoS事業開発部の河相長流氏は「オープンシステムはヨーロッパでは既にスタンダードになっており、日本でも徐々に拡がりを見せています。オープンシステムのメリットは拡張性と自由度の高さです。1社だけでなく多くのメーカー製品の中から機能・品質・デザインなどを用途に合わせた最適な製品を選択することができます。当製品のレイアウトフリーのコンセプトと今までにない質感を持ったデザイン、センサ専業メーカーとして培ってきたセンシング技術・信頼性は新たな市場にも受け入れていただけると期待しています」と抱負を語った。
大師ソフトウェア工房 シンプル・コンパクト・カスタマイズ可能 ビル専用の経理事務処理支援ソフト「ビルジム」の魅力
「シンプルかつコンパクト」を掲げた、テナントビル専用の経営事務処理支援ソフトが誕生した。
それが大師ソフトウェア工房(川崎市川崎区)の「ビルジム」。今年5月よりインストール型のオンプレミス版をリリースし、8月にはクラウド版もリリース。賃貸管理のなかでも請求業務に絞って実装されていて、オプション機能として入金管理を備えた販売となる。テナントのクレーム管理や建物の修繕管理などは、オプション機能として今後提供していく予定としている。
「ビルジム」の特長のひとつは「シンプルかつコンパクト、拡張性」だ。代表取締役の丹生谷寛氏は「お客様個々の状況に合わせて業務の中で必要とする機能のみを提供し、システム化を果たすことで、どのお客様のニーズにも応えることができるのではないか」と理由を語り、次のようにも話す。
「多機能であることが、お客様にとってシステムが難しく感じるケースが多々あるとともに、豊富な機能でパッケージ提案をしてもお客様にとって必ずしもすべての機能を必要とするとは限りません。加えて全機能のパッケージ化にすることでがお客様に無駄なコストを強いてしまうこともあります。だからこそ、『ビルジム』では請求業務のみを標準機能として、それ以外はオプションとなっているのです」
このようなカスタマイズを前提とした構造となっているのも、同様のソフトとしては珍しい。そのぶん、管理会社やオーナーにとっては必要な範囲の負担で、快適に効率化を図ることができる。
「シンプルかつコンパクト」、そしてカスタマイズ可能であることが、効率的なビル管理を実現する。