不動産トピックス
第2回ビル経営アワードノミネート物件紹介
2016.09.26 12:52
ノミネートNo.21
いなかっぺ
かっぺイーストビル
所在地:千葉県千葉市中央区弁天2―22―6
施工場所:1階駐車場部分
所有者:いなかっぺ
改修期間:平成18年7月から2カ月間
JR「千葉」駅から徒歩5分の場所に立地する「かっぺイーストビル」。現在、その1階部分で所有会社である合資会社いなかっぺ(千葉県鴨川市)が平成18年より多目的スペース「studio CoCoLo」を運営している。所有するに至った経緯は、代表社員・岡野大和氏が平成12年に設立した株式会社かっぺ(千葉市中央区)がその翌年に「かっぺイーストビル」に入居、平成16年に当時の所有者との売買成立によって取得するに至った。
1階部分は駐車場として使用していたものの、岡野氏によれば「その利用者も少なく、資材置き場に近い状態になってしまっていました」とのこと。この部分について有効活用を考えるようになった。そこで平成13年よりかっぺ社の社員や取引先、近隣住民などを招いた「かっぺ祭」を開催。同氏は「駐車場部分に椅子やテーブルなどを搬入してイベントを行いましたが、これがその後の活用につながったと思います」と話す。
岡野氏が活用を考えていく上で重視した点は「地域に貢献すること」だった。そのとき、「周辺には音楽サークルや演劇サークルなどのアマチュア団体が発表するような規模のホールが少ない」ことに気づき、平成18年7月より駐車場部分の改装を開始、2カ月ほどの期間を経て多目的スペース「studio CoCoLo」の開設となった。
駅前かつ1階であればコンビニエンストアなどテナント入居を考えると様々な可能性があった。しかし、岡野氏の視点は「収益」ではなく「地域貢献」だった。
「ビジネスを通して地域に貢献していくことを目指していて、今でもいなかっぺ社の事業として鴨川の活性化に寄与する地域メディアの運営などを行っております。不動産においても、その地域の人たちのニーズに応えていくことがオーナーとして貢献できることではないかと考えております」(岡野氏)
○改修ポイント:駐車場から多目的スペースに。「地域貢献」がキーワード。
ノミネートNo.22
ヨネヤマ
unicoビル
所在地:神奈川県川崎市川崎区日進町3-4
延床面積:約2000㎡
規模:地上5階
所有者:ヨネヤマ
改修:平成27年~平成28年
ヨネヤマ(神奈川県川崎区)は神奈川県の川崎に保有している「unicoビル」のリノベーションを実地。
現在ビルの一部である倉庫をバスケットコートに改修し、平成28年6月から「unico court」として運営している。
もともとは「unicoビル」を保有・運営しているヨネヤマの自社ビルとして工場兼寮として使用されていたが、平成元年に本社を大川町に移したことで空きビルとなった。一時は取り壊しの意見も出たが、ビル全体のリノベーションを決断し、有効的に利用しようと考えた。
一足先に完成した「unico court」は築古の倉庫の雰囲気を残しながら、床面にはアメリカから取り寄せたスポーツ専用の床材に改修した。壁面の一部には防音を施し、空調設備も導入した。L字型が特徴的で、約65坪の中に6m×16mの一面と7m×7・75mのハーフコートが設置されている。時間貸しで一般レンタルしているほか、プロバスケットボール選手よるバスケットボール教室も開いている。また、ヨガ、ボクササイズ、ダンス、撮影などの多目的施設としても利用することも可能。
同社不動産セクションの代表である武井雅子氏はコートについて「空室となっていたビルを有効活用しようとリノベーションを計画している時に知り合いになったバスケットボールの選手から自由に使える体育館が少ないという声を聞き、定期的に利用できるコートにすることで、シェアリングエコノミーとしてビジネス利用できるのではないかと考え、改修を決断しました。『unico』は唯一無二というイタリア語ですが、そのような施設を作りたいという願いから名づけました。他のエリアからの来街者とこの地で愛着を持って長年に渡って暮らしている人たちが一緒になって街づくりを行えるような施設を作りあげたいと考えています」(武井氏)
○改修ポイント:来街者と地域住民が一緒になって街づくりを行うことのできる施設を創り上げる