不動産トピックス

第18回不動産ソリューションフェア注目企業・セミナー紹介

2016.10.10 16:04

 不動産ソリューションフェアの会期(10月18日、19日)も間近に迫り、出展企業が温めてきた展示内容も続々と明らかになってきた。不動産業界で注目高まる「民泊」から、ビルオーナーなら知っておきたい経営面に資する様々な製品・サービスなど、ビル業界で話題騒然の最新トピックスがここにある。

ネットオンネット 100%稼働を実現するテナントリーシング術を披露
 空室や土地活用の策を不動産オーナーへのソリューションを提供しているネットオンネット(東京都渋谷区)が不動産ソリューションフェアにブース出展および18日、19日両日でセミナーを行う。
 同社は店舗開発情報を専門としたテナントリーシングを得意としていて、これまで都心および郊外の多くの物件の空き区画に対し客付けを行ってきた実績を持つ。常時3500社ほどの出展希望テナント情報を有しているとともに、設計スタッフが所属しているためテナントの入居しやすいビルの提案も可能。加えて新築時や建替え時などの場合、竣工前に入居テナントを決定することによって、建築費をテナントから協力金(返還保証金)として無利子での融資を得ることもできる。オーナーとテナント双方のニーズを把握しているから、このようなことが可能であると言える。今回のフェアでは同社の実績による活用事例を伝えていくとともに、悩みを抱えるオーナーの相談にも応える。
 またセミナーでは「ビル経営・不動産投資・設計施工の方々『こんなパートナーが欲しい~プレリーシングで100%テナント決め!実例5選~』」というテーマで、同社の現場担当者が登壇し実例について話す。ここでは不動産オーナー・投資家はもちろんのこと、不動産開発事業者や商業ビル建築・設計事業者に対しても、より良いサービスをオーナーに提供していくための関係づくりの場として開放する。代表取締役社長の長浜洋美氏は「当社は貸主と借主のコーディネーターです。その役割を果たしていくために、今回のフェアの場ではオーナーへの活用のご提案とともに、協働できるパートナーを探すことでより広範に支援をさせていただければと考えています」と話す。
 セミナーは18日H会場14時10分~15時、19日H会場11時20分~12時10分で行われる。またセミナー会場近くに出展ブースもあるので、抱えている課題について相談したいというオーナーは立ち寄ることをお勧めする。

グローブシップ 「戦略FMパートナー」をキャッチコピーに業務拡大に邁進
 昨年4月、ビル代行と日本ビルサービスの統合によって誕生したグローブシップ(東京都港区)は現在「戦略FMパートナー」というキャッチコピーのもとブランド戦略を展開している。
 この「戦略FMパートナー」とは、顧客のファシリティを経営資源と捉え、グローブシップから業務の合理化や省エネ、BCP対策なども能動的に提案し、顧客のコア業務以外をアウトソーシングで任せて貰えるようなベストパートナーを目指すというもの。そのために様々なサービスブランドや技術ブランドを築いていこうという取り組みだ。
 また、既に発足したフランスの大手総合施設管理会社のソデクソとの合弁会社であるグローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービスを発展させグローバル展開を拡大していく。人手不足に対応するため採用数の増加とともに、ミャンマーからの技能実習生の採用も行うなどさらなる業務の拡大を目指している。
 今回の不動産ソリューションフェアでは社員の普段の働きぶりや社内行事の様子などを記録した映像を上映するとともに、パネルや資料を用いて同社の戦略やどのような技術を持っているのかを見ることができるようにする予定となっている。
 「グローブシップとなってから約1年半を経て、今後ますます発展していくため、お客様に『戦略FMパートナー』のキャッチフレーズのもと様々な提案を行い、お客様の良きパートナーとなっていきたいと考えております。当社ブースへ足を運んで頂いた方にグローブシップがどのような姿を目指していくのかをお話し、『戦略FMパートナー』というブランドを記憶に残していって頂ければと考えております」(常務取締役 管理本部長 佐藤 武男氏)


大成有楽不動産 PM、BM、リニューアル 3つの要素でビル経営を支援するサービス「PBR」
 大成有楽不動産(東京都中央区)では昨年に引き続き同社が提案する「PBR」について出展する。「PBR」とはPM(プロパティマネジメント)、BM(ビルメンテナンス)、RN(リニューアル)の頭文字を並べたもの。大成建設グループの総合力をもって、きめ細やかなサービスを展開する。
 建設本部リニューアル部長の石澤誠氏は「今回の出展では特に当社のリニューアルについて皆さまに知っていただければと思います。平成26年に社内に建設本部を新設以来、リニューアル事業の再整備を行ってきました。建物診断や原状回復・レイアウト変更、省エネやエコ提案、中短期修繕計画など様々な面においてビルオーナー様をサポートします」と語る。
 現在同社ではビルで約2400件、マンションで約1000件の施設管理を行っている。これらの実績を生かし、ワンストップでサービスを展開できるのが強みだ。今回、ブース内には50インチサイズのモニターを設置。CGパースによってリニューアルやレイアウトの提案をプロモーションしていく。
 「当社が管理するビルオーナー様はもちろんですが、これまでお付き合いの無いビルオーナー様にもぜひ知っていただければと思います。オーナー様の事情に合わせたリニューアル提案を当社では行うことができます。大成建設グループの当社だからこそできる『リニューアル工事』の品質・安全管理、そして提案力を多くの方に認知していただけるようにプロモーションしていきます。不動産に関する些細なことでも気軽にご相談していただければと思います」(石澤氏)


アズビル 最新のビル向けクラウドサービスとセル型空調システム
 ビルの管理業務の効率化を提案するアズビル(東京都千代田区)は昨年に引き続き出展。オフィスビルのエネルギー管理や設備管理業務の効率化を図り、管理コストの削減をサポートするビル向けクラウドサービスとセル型空調システム「ネクスフォート」を出展する。「ネクスフォート」はオフィス空間を4~6人程度のセル単位に分割し、風量と風向きを自由に切り替えることができるシステムとなっている。一方、ビル向けクラウドサービスとはエネルギーの使用状況のデータなどを多彩なグラフ機能などで分析することが可能。クラウド化することによって管理物件に直接行かなくてもデータの集積ができる。また、テナントが室内の温度をパソコンやスマホで調節したり、空調の残業運転をパソコンから申請、管理することも可能。これにより従来、煩雑だった作業を効率化。管理者の負担を軽減することができる。サービス自体はアプリではなくインターネットのブラウザ上で管理・運営する。ログインできるネット環境さえあればタブレット端末やパソコンなどを選ばずに使用することができる。
 環境マーケティング部の山岡稔氏は「ビル管理業務においてクラウドサービスはまだまだ普及はしていません。当社のサービスも含めて今後、さらに認知度を高めていき、皆さまに新しい時代の流れを感じていただければと思います」と意気込みを語った。


セミナー紹介・LED光源普及開発機構
 関東大震災から83年。今や首都直下型地震がいつ起きてもおかしくなく、5年前の東日本大震災、今年の熊本大地震が頭をよぎる。
 そのなかで今回、LED光源普及開発機構代表理事の小林治彦氏のセミナーは「LED街路灯の進化、米国に見る防災スマート照明とは」と題して行う。今回、出展ブースではLED防犯カメラや防犯カメラ付き街路灯などを出展しているが、それと合わせて小林氏のセミナーでは米国における防災都市化の一環として実施されている都市計画について解説を行う。
 小林氏は米国での事例について「街路灯(道路灯)と防災(警察、救急、消防)の相互効率運用が実施されていますが、災害大国である日本においてこのような取り組みは必要となるのではないか」と語る。現在の街路灯はLED化は進められているものの、防犯カメラが取り付けてある事例はまだ少ない。防犯カメラ付き街路灯の設置が普及すれば犯罪抑止だけでなく、実際の災害時における救援を行う際の手助けにもなる。
 セミナーでは電球型防犯灯や煙感知器型防犯灯の紹介も行う。不動産オーナーはもとより、管理会社やまちづくりを行うデベロッパーにとっても見逃せない講演だ。

LED光源普及開発機構出展企業(2)VPLUS 
高価な監視カメラに代わる新しいソリューション スマートフォンと連動できる防犯LEDカメラ登場
 LED光源普及開発機構ブース内で出展するVPLUS(東京都千代田区)が不動産オーナーや管理会社向けに提案するのは防犯LEDカメラ「Wi―Fi Light Cam」だ。同製品は見た目は普通のLEDライトだが、内部に監視カメラを内蔵している。住宅やオフィス、店舗など様々な場所で導入されている。
 代表取締役の朴智恵氏は「Wi―Fi Light Cam」の特長について「ソケットさえあれば簡単に取り付けることができるので、従来監視カメラを設置することが難しかった場所やコストがかかるために監視カメラ台数を絞っていたところにも手軽に設置できることです」と話す。
さらにスマートフォンアプリと連動していることも特長のひとつだ。Wi―Fi接続を通してカメラ映像を遠隔でも見ることが可能であるとともに、ライトのオン・オフ操作もワンタッチでできる。
 また同製品にはマイクとスピーカーを搭載している。スマートフォンを通じて音声を聞き取ることができるとともに、必要であればマイクを通じて警告を発することも可能。加えて、不在時に動作を感知するとスマートフォンにメッセージを送信する動作感知機能をつけている。そのため、不審者が侵入した場合にはすぐさまにわかる仕組みだ。
 朴氏は今回の不動産ソリューションフェアを通じて「これまで監視カメラが高価であるために導入を控えていたオーナーの方々にソリューションを提案していきたいと思います」と言う。
 会期中は「Wi―Fi Light Cam」以外にも他の製品パンフレットを配布予定。同ブースに立ち寄ることでオーナーにとって新しい発見を得ることができるだろう。

LED光源普及開発機構出展企業(3)S.E.I ビル・マンション、商業施設、個人宅まで幅広く展開 カメラ付きLED外灯「エルミテル」を展示
 LED光源普及開発機構ブースに街路防犯灯が登場だ。
 島根県に本社を置き、県産業センターと共同で特許を取得するなど地元に多く実績を持つS.E.I(島根県浜田市)。同社が製造・販売を行うカメラ付きLED外灯「エルミテル」は防犯カメラは防犯カメラ内蔵型のLED街路灯として今春より本格的な販売を開始した。昨年秋からの試験導入を含めて、これまで400カ所で設置実績がある。
 統括本部長兼経営企画室長の安藤元晴氏は「街路灯のLED化は進んでいますが、防犯に関しては従来の監視カメラを付設することが一般的でした」と話す。が、監視カメラはコスト導入が高く、「コスト削減のために台数を絞ることが多い」と指摘する。
 カメラ付きLED外灯「エルミテル」はカメラコストを抑えて、低コストでの導入を実現している。これまでの設置箇所では行政が管理する街路沿いはもとより、ビル・マンションの駐車場や駐輪場、商業施設、個人宅まで幅広い。
 同製品はSDカードを内蔵していて、約1週間分の映像記録を保存することが可能。またオプション機能としてWi-Fi機能付きSDカードのパッケージも用意。これを利用するとSDカードを抜くことなくノートパソコンなどを街路灯近くまで持ち運ぶことで映像記録のダウンロードが可能だ。また「エルミテル」の姉妹製品として、カメラが付属されていない「エルフツウ」も販売している。
 安藤氏は年間の導入目標を「1万件」と掲げる。「これまでも想像以上の業種の偏りお声がけをいただいている」といい、同社としては上々の立ち上がりのようだ。
 「今回の不動産ソリューションフェアでは不動産オーナー・管理会社の方に防犯ソリューションとしてご提案できればと考えていますが、それとともに代理店として販売して頂ける方がいれば是非お越しいただければと思います」(安藤氏)
 高価であることを理由に導入ないし更新を見送っていたオーナーは付加価値をつけての導入を検討してみてはいかがだろうか。


三好不動産 65年のノウハウで提供する不動産事業社向けのサービスを紹介
 今回、初出展する福岡エリアを中心にマンション・ビルの賃貸管理を行う三好不動産(福岡市中央区)。不動産ソリューションフェアでは同社が創業以来65年間築いてきたノウハウをもとにした外部の不動産会社へのコンサルティングの紹介を行う。
 メニューは3つある。ひとつは相続。同社はビル管理・売買・仲介などを行うが、執行役員の伊瀬知晃氏は「オーナーと密に接するなかで、次の事業モデルとして有力なのは相続だと考えています」とのこと。既に同社では相続コンサルティングを行うFC展開を行っている。  「相続コンサルティングに興味のある不動産事業者向けに紹介を行うとともに、相続で悩みを抱えているオーナー向けにもセミナーを行っていますので、そちらの紹介もしたいと思います」(伊瀬知氏)
 2つめは管理業務の代行。不動産管理会社の業務は細かく、家賃の集金や督促、更新、解約など多岐にわたる。そこで交渉以外の事務業務については同社で代行するというもの。現在、関連会社に全国賃貸管理サポートセンター(福岡市中央区)があり、ここで事務代行業務を行っている。
 もうひとつは賃料保証業務の事務代行だ。不動産管理会社は滞納リスクをヘッジするために、賃料保証を導入しているケースが多いが、保証内容が自社に合ったものを見つけるのは難しい。そこで同社が提案するのは「不動産管理会社が保証業務会社を立上げ、当社がその事務代行を請け負うサービスです」(伊瀬知氏)。
 今回、紹介されるサービスは不動産管理会社にとっての手間の削減に貢献するもの。伊瀬知氏も「不動産管理事業を行っている企業は様々な課題を抱えていると思います。当社のサービスはその課題解決のソリューションになると思いますので、是非、ブースにお立ち寄りください」と話す。65年の実績を重ねているからこそできるサービスは必見ではないか。


アドキン環境 火災原因となるネズミの危険性に警鐘 「駆除」から「撃退」へ画期的な対策を解説
 アドキン環境(東京都千代田区)は不動産ソリューションフェアに初出展、セミナーも実施する。「ネズミを原因とした火災の危険性について警鐘を鳴らす」と郡司龍治社長は意気軒昂だ。
 テナント・来館者に対して安全・安心を提供するのがビルオーナーの責務となる。東日本大震災以降、地震に対するリスクマネジメントの必要性は広く普及したが、実は身近なリスクが迫っていることを多くのビルオーナーは知らない。それが、ネズミを原因とした火災の危険性だ。実はネズミの歯は伸びるのが速く、常に歯を一定程度の長さに留めておくために手当たり次第物をかじるという性質を持つ。天井裏等に存在する通信ケーブルをかじり、むき出しになった銅線にネズミの尿がかかるとショートし、これが火災の原因となる。しかし、郡司氏は「こうした火災の原因は『漏電』等と公表されることが多く、なぜ漏電したのか検証結果が公開されることはない。特に飲食店等の火災では衛生面から『ネズミが原因』とは口が裂けても言えない」と指摘する。
 こうしたネズミ被害に対して従前までは専門の駆除業者に依頼する他なかったが、数回の駆除でビル全体に巣食うネズミを根こそぎ駆除することは不可能。ネズミ特有の繁殖力によって延々と駆除し続ける「いたちごっこ」に陥ることになる。駆除にかかるトータルコストも膨れ上がる一方だった。
 「ビルには火災被害を最小限にするための防火扉や消火器の設置が義務づけられているが、火災の原因となるネズミ被害を防ぐことが優先事項ではないだろうか。不動産ソリューションフェアの当社セミナーではビルオーナーに対して大切な資産を守るためのネズミによるリスクの重大さを解説したい」(郡司氏)
 根深い「ネズミ問題」に対してアドキン環境が提案するのが従来型のネズミ駆除とは異なる「ネズミを寄せ付けなくする」画期的な対策だ。「まもるくん2.」と命名されたネズミ対策機器を出展ブースにて実機展示する。同製品の最大の特長は超音波によって衝撃を発生させ、ネズミを寄りつかせなくする点にある。東証一部上場の食品スーパーが新規出店時に同製品を採用している他、大手鉄道会社やビルメン会社でも採用が相次いでいる。
 ネズミに悩まされているビルオーナー、管理会社は必見。「ネズミ退治」の新機軸がここにある。


日本広告物施工管理協会 オーナーの喫緊の課題「看板落下事故」 行政の動向裁判事例等を通じてリスク回避策を伝授、
 東日本大震災によってビルの耐震性能を重視するオーナーは増えているが、地震による倒壊よりも発生確率が高く、ビルの資産価値を著しく低下させるのが屋外看板の落下事故だ。屋外看板の落下事故がクローズアップされたのは昨年2月に発生した札幌市における商業ビルの事例だ。幸いにも被害者は一命をとりとめたが、テナント兼ビルオーナー、看板を目視点検していた管理業者に対して多額の損害賠償が求められた。この事件を受けて、国土交通省と屋外看板業界団体によって看板のメンテナンス時におけるガイドラインが策定され、今後は管理強化が進められることになりそうだ。
 今回、不動産ソリューションフェアに初出展する日本広告物施工管理協会(東京都千代田区)は昨年8月に設立され、看板メンテナンスの技術啓蒙を図る新進気鋭の業界団体だ。独自資格である「広告物点検技士資格制度」を策定し、これまで疎かにされていた看板メンテナンスの技術向上を目指している。出展ブース・セミナーを通じて、看板落下の危険性が高いということをビルオーナーに広く周知することが狙いとなる。
 セミナー講師を務める同協会の監事である鈴木智久氏は「仮に看板落下事故が起きた場合、オーナーの大切な資産である保有ビルの価値は著しく低下します。事故における高額な賠償請求のみならず、『事故物件』としての風評被害でテナントが入居しなくなる可能性も高い。単純に億単位の不動産価値を損ねる原因になりかねません」と指摘する。セミナーでは、屋外看板を取り巻く行政等の管理強化の動き、落下事故における裁判事例等を解説。落下事故における弁護士からの内容証明も開示する予定だ。鈴木氏は「最終的にリスクマネジメントの観点から定期点検を行うべきですが、ビルオーナーだけでなく管理会社やビルメン会社も屋外看板に対して無頓着でした。優秀な看板メンテナンス業者を見極める方法も解説したいと思います」と抱負を述べる。 
 ビルオーナーはもちろん、受託物件の屋外看板の扱いに悩む管理会社、正しいメンテナンスのやり方を知りたいビルメン会社には是非講演を聞いていただきたい。


管理パネルディスカッション「ビルオーナーが注意すべき金融機関との付き合い方」
 不動産経営における最大のパートナーは金融機関といえるだろう。新たに物件を取得する、もしくは大規模改修工事を実施する等、多額の資金が必要な時に頼りになる存在だ。 
 一方、先代から付き合いの深い取引先銀行に融資の依頼をしたところ断られたビルオーナーは少なくない。「長期間の取引で積み上げてきた信頼」が頼りだったが、なぜか融資を断られてしまったのだ。
 今回の管理パネルディスカッションでは「経営管理」の根幹を担う「資金調達」に焦点を当て「金融機関との正しい付き合い方」を導き出していきたい。登壇者は元銀行員を中心にスタッフを構成する経営コンサルタント会社、リッキービジネスソリューション(東京都千代田区)の杉山尚史氏、「建築と不動産の間を追究する」をコンセプトに難度の高い不動産開発を多数コンサルティングしている創造系不動産(東京都港区)の高橋寿太郎氏だ。杉山氏も元銀行員であり、金融機関の事業に精通する。資金調達に成功するための事業計画書の作成は得意中の得意だ。一方、高橋氏は現在、老朽化ビルの再生コンサルを手掛けており、耐用年数が見込めない築50年超の築古ビルで大規模改修のための資金調達に向けて、独自の戦略を駆使している。金融機関の内実を知る杉山氏、不動産の現場で金融機関との壮絶な交渉に挑む高橋氏が意見をぶつけ合う刺激的な議論が展開されることを期待したい。


ファミリアリンク 民泊の効率的な運用を支援 旅館業法の取得コンサルティングも
 民泊ビジネスの活性化に向けて業界を牽引する取り組みを続けている仲介代行業大手のファミリアリンク(東京都新宿区)がブース出展をする。民泊の効率的な運用をしていく上で欠かせない代行事業者。500物件超の代行を行っている大手事業者がオーナー・ホストの悩みに応える。
 代行事業の特長はPMS(Property Management System)を活用した運用と、宿泊者や物件オーナーへのきめ細かなサポート体制による高稼働の維持にある。多くの物件数を抱える上でのシステムの活用について代表取締役の柏木祐介氏は、「内部SEOや予約システムを通しその状況に応じ宿泊単価の調整を行い、適宜な価格設定による稼働率の向上や宿泊するゲストから高評価を頂ける取り組みが功を奏しています。同時にスマートロックなどIoT機器の導入に注力しています。法律制定後を見据えたスムーズな本人確認・パスポート確認なども含め、兎にも角にもホストにもゲストにも安心安全な民泊をサポートするためです」と語る。民泊が抱えている多くの課題を解決するうえでIoT機器の導入が持つ意義は大きい。
 サポート面ではゲストに満足してもらうための民泊物件の適切な管理は当然だが、同社では旅館業法上の許可取得のフォローも行っている。民泊プラットフォーム以外での集客を可能にして稼働率の向上が可能になる。加えて新法の施行後も「自治体条例を原則とする」となる公算が強い。それに伴い年間営業日数の制限なども予想される。こうした状況を踏まえて柏木氏は「旅館業法の免許を取得する意向があれば積極的に支援していきたい」とするのである。
 競争と規制の強風は裏返せば「民泊ビジネスが稀有な成長力」の証左とも言えよう。ここに代行事業者はどのように対応していくか。民泊代行大手の戦略を見逃すことはできない。




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