不動産トピックス

クローズアップ　エントランス編

2016.10.24 12:37

　エントランスはビルの来訪者が最初に目にすることになり、また多くの人が行き来する場所である。そこにどのような備品を置くかは重要な問題。優れた機能や多彩なデザインを備えた製品を紹介する。

シー・ティ・マシン　爆発に耐えられるごみ箱　テロ対策と利用者の便を両立
　シー・ティ・マシン（大阪市北区）は防爆ゴミ箱「ＢＣＲ　Ｘ１０」を輸入・販売している。
　テロ対策の一環として、ごみ箱の撤去や封鎖が図られるケースは昨今しばしば見かける光景。例えば、今年５月に開催されたＧ７伊勢志摩サミットの際にも、会場から離れた東京や大阪などでもごみ箱の撤去および封鎖が行われていたのは記憶に新しいところだ。テロリストが爆発物の隠し場所としてごみ箱を選ぶことは多く、それを防ぐためにごみ箱を撤去してしまうというのはたしかに有効な手段といえる。だが、建物や街を清潔に保つためにはごみ箱は必要なものであることは間違いない。「インバウンドも増える中、ごみを集め清潔さを保つのも一つの重要なソリューションと言えるのではないでしょうか」とシー・ティ・マシンのソリューション営業部推進リーダー山田仁氏は語る。
　「ＢＣＲ　Ｘ１０」は「爆発を受け止めて封じ込める（Ｂｌａｓｔ　Ｃｏｎｔａｉｎｍｅｎｔ　Ｒｅｃｅｐｔａｃｌｅｓ＝ＢＣＲ）」、爆発に耐えうるよう製造されており、ＴＮＴ換算（爆発などで放出されるエネルギーを同等のエネルギー量のトリニトロトルエンという爆薬の質量に換算する方法）で０・５ｋｇ相当の爆発に耐えうる製品となっている。その性能はアメリカ合衆国国土安全保安省の保証済み。仮にテロリストが爆発物を同製品に投入し、内部で爆発させたとしてもその爆発は上方のみに向かい被害が周囲には及ばないよう設計されている。
　同社が「ＢＣＲ　Ｘ１０」の販売を開始したのは先月からであるが、海外では既に十数年前から販売されており、数千カ所での使用実績を積み重ねている。
　東京オリンピック・パラリンピックを控え、テロ対策の重要性が頻繁に取りざたされている。不特定多数の人が出入りするビルであれば、エントランスや共有部分で役立つ製品だろう。


新倉計量器　片手で使える傘袋収納機　多彩なバリエーションとデザイン
　新倉計量器（東京都千代田区）が製造する「傘ぽん」は、傘を片手で自動的に傘袋へ収納することができる機械である。使い方は上から傘を入れ手前に引くだけと簡便で子供から高齢者まで使いやすく、濡れた傘を収納する際に持ち物や衣服を濡らしてしまう可能性を減らしている。また、吊り下げてある傘袋を手で引きちぎって使用する場合誤って複数枚を取ってしまいロスが発生することは少なくないが、同製品は機械式であるためそうしたロスは発生しづらくなっている。ステンレス製で錆びにくく耐久性にも優れ、推定耐久３０年以上と堅牢な造りとなっている。
　傘袋にもこだわりがあり、専用傘袋に設けられた落下防止帯は雨水がたまることによる袋のずり落ちを抑止する効果があり、また有毒ガスの出ないポリエチレン製とすることで燃えるゴミとして処理できるようにしている。
　同製品は豊富なバリエーションが存在し、一度に２０００枚の傘袋がセットできるスタンダードタイプ、省スペースで小型店舗への設置にも適したスリムタイプ、折り畳み傘に対応したタイプや長傘用と折り畳み傘用が一体化したもの、ごみ箱や傘袋の回収機が一体化したタイプ、雨天時には傘ぽんとして使え晴天時はダストボックスとして運用できる晴雨兼用タイプと実に多様である。また、カラーバリエーションも豊富でイタリアンレッドやスパークルサンドホワイト、ブロンズゴールドなど１０色が用意されており、さらに雰囲気に合わせた特注色塗装や企業のロゴマーク等を入れたオリジナルデザインオーダーも１台から可能で、傘袋への名入れなどもすることができる。それぞれの建物にあわせてカスタマイズすることで宣伝や価値向上などにも役立てることができる製品だ。

山二建具　空間に安らぎを与える木製ベルトパーティション
　国の取り組みとして「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が平成２２年１０月に施行され、横浜市などの各市町村で公共建築物に木材を使用するといった動きが見られるように、オフィスや建築物における木材利用は年々活発化している。
　山二建具（千葉県松戸市）もまた、地域産材を活用しオフィスの木質化を推進する企業。同社は昭和４２年創業の木製ドア、エントランスドアなどの木製品を主に手掛けるメーカーであり、同社が拠点を置く千葉県の地域産材を使用した木製のベルトパーティションを製造している。
　ベルトパーティションは主に銀行や劇場、公共機関、ビルのエントランスなどで利用者の動線の誘導などに使用され、その大部分は金属製となっている。それを木製のものに変えることによって、空間に和らぎを与えるなどの効果を期待することができる。
　同社はベルトパーティションの他にも木製のパーティションやブラインドなど、ビルやオフィス内で活用することができる様々な製品の開発を行っている。建物の雰囲気にあわせて、こうした木製品を積極的に取り入れるという選択肢もあるだろう。