不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2017.01.16 13:13
■スマートフォンでいつでもどこでも検索できる便利な世の中になったが、その反動からオフィスビルでは屋外看板を撤去する動きがあるそうだ。あるビルオーナーは「オフィスだと外部に事務所の位置を知らせる必要がなく、スマホ検索で十分」とのこと。デジタルなIT技術に対してアナログ的な看板が割を食うような形になっている。一方、ユニークな看板を企画する看板施工会社、興和サイン(東京都中野区)の代表取締役社長、高橋芳文氏の考え方は少々異なる。「スマホと看板をいかに連携させるか」を重視しているのだ。高橋氏が昨年新宿歌舞伎町で手掛けたのはビルのファサード全体に「I(ハート)kabuki―cho」の巨大ネオン看板。これが外国人観光客にウケて、今や格好の撮影スポットになっている。高橋氏によると「撮影した画像は自身のSNSに掲載し、世界中に発信されている」と指摘。知らぬ間にビルの存在が世界的な知名度を得ることになる。ITと看板、水と油のようだが親和性は高い。 ■VR(仮想現実)技術を活用し、不動産の内見を体験できるシステム「3D Stylee」を提供するエフマイナー(東京都渋谷区)。代表取締役の森田博和氏は、経済産業省の元エリート官僚という異色の経歴の持ち主だ。大学院では航空宇宙工学を学び、計産業では中小企業政策や省エネルギー政策などの企画立案に参画。その後、人事院の派遣研修制度を活用して米国シカゴ大学のビジネススクールに入学した。留学中に同氏はMBA(経営学修士)を取得。起業の重要性を感じ、自らも起業を志すようになったという。現在では企業経営者としての顔だけではなく、現代アートを扱うギャラリー「クラブエフマイナー」の共同経営者の一人でもある。ビジネスだけではなくアートの世界においても、森田氏は将来世界で活躍する人材の成長をサポートしているのだ。 ■民泊に関して国内での法整備が進もうとしている。一方で、現状グレー状態である民泊に関していくつかの通報サービスが存在する。行政では京都市が行うが、民間のサービスとしても存在する。近隣住民から騒音やゴミ出しの苦情とともに「違法民泊ではないか」と通報、独自で調べた上で「違法民泊である」と判断すると保健所、管理会社ないしはオーナーに連絡をするというシステム。そのような存在を自らも民泊ホストであり、運営代行を行うエアホスト(川崎市宮前区)の尾畠隆志社長に伝えると「それは気持ち悪いね」と一刀両断。「色々と課題があるのは事実ですが、そのような通報サービスは民泊の健全化ではなく、民泊潰しにしかなっていない」とのこと。「民泊健全化」の御旗を掲げるならば、「通報サービス」だけでは足りないようだ。 ■品川は東海道の日本橋から数えて最初の宿場町。中山道の板橋宿・甲州街道の内藤新宿・奥州街道の千住宿とともに江戸四宿と呼ばれ、江戸時代には非常に栄えた街だ。 そうした歴史ある品川宿で、明治23年に創業し100年以上の歴史を築いてきた尾張屋(東京都品川区)は呉服店を営むと共に「尾張屋ビル」を所有し不動産業を行っている。 品川では歴史ある街だけに、年に何度も祭りが開催される。尾張屋も町の一員としてそれらの行事に積極的にかかわっている。中でも毎年9月に開催される「しながわ宿場まつり」は品川宿の伝統と文化遺産を若い世代に伝え地域の発展を目指すことを目的として始まったもの。尾張屋はその催しの一つとして行われている、艶やかな衣装に身を包んだ花魁が手古舞に先導され街道を練り歩く「花魁道中」の衣装プロデュースを行っている。 この「花魁道中」の衣装プロデュースは不動産業においても大事なことだと代表取締役社長である大橋登氏は考えており、「品川の歴史的な遺産を大切にし、エリアの価値を高めていくことは不動産経営には大切な事。この『花魁道中』は宿場の伝統を伝える絶好のイベント」と語る。 ■不動産研究所(東京都港区)は今月11日に「季刊不動産研究第59巻第1号」を発売した。今回の特集は「不動産テックの鍵を握るビッグデータとGIS」として、現在不動産業界でも話題となっている不動産テックの将来性や今後の不動産市場への影響について各識者の見解が掲載されている。研究部の後藤健太郎次長は「『不動産研究』は我々や各識者の研究成果を発表しています。ホットな話題も提供しているツールなので、不動産業者の方々には情報収集に利用してもらえれば幸いです」と話す。 販売は全国官報販売協同組合ホームページの政府刊行物サイト(日本不動産研究所刊行物)から購入可能。1000円+税で販売している。 ■昨年4月より通勤に自動車だけでなく自転車を使い始めたのはハセガワ(さいたま市大宮区)代表取締役の長谷川雄一氏。知人から高級マウンテンバイクを安く譲り受けたのがきっかけで自転車通勤を開始。 「まだ一年も経っていないですがけっこうハマっています。自転車が趣味になりそうですね」と長谷川氏は笑顔で語る。現在、自転車仲間を絶賛募集中だそうだ。