不動産トピックス

今週の一冊

2017.01.30 17:30

老朽化という危機にいかに立ち向かうか

生き返るマンション、死ぬマンション
著者:荻原博子
発行:平成28年12月20日
出版:文藝春秋
価格:780円(税別)

 中古マンション大量供給時代に突入した現在、日本にある中古マンションの数は623万戸(平成27年末時点)を超えている。このなかで築30年以上のマンションは162万戸。さらに10年経てば築40年に、20年経てば築50年となり、建替えが必要となってくるだろう。
 しかし、「今まで建替えが成功したケースはわずか1万6600戸」にすぎず、また建物の老朽化だけではなく住人の年齢も一緒に上がっていることから、マンションと住民の「ダブル高齢化時代」に日本は突入していると筆者は説く。
 本書ではそうした現状を踏まえ、全国各地で行った取材をもとにその中でも光明を見いだすべく書かれている。老朽化による建物の劣化や建替えの問題はビルにも通じる内容がある。全7章で構成されておりどこからでも読むことができる内容となっているため、気になる部分から気軽に読める一冊だ。




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