不動産トピックス
今週の一冊
2017.03.06 14:34
不動産投資を楽しむためにも入口から出口までを網羅
勝てる!不動産投資コンプリートガイド
著者:柳田 武道
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:平成29年2月19日
価格:1500円(税別)
日銀のゼロ金利政策はサラリーマンにとって資産運用を切実なものにしている。貯金しても虫の息ほどの利息しかない。一方で、誰しもが収入増を実現できるような社会状況でもなく、若い世代になればなるほど年金不安も大きい。「資産運用は誰もが行う時代」が到来しつつある、そのなかで多くのプレイヤーを集めるのが不動産投資だ。
著者の柳田武道氏は収益物件仲介を行うなごみ(千葉市中央区)代表社員。タイトルはいかにも巷に溢れる「投資ハウツー本」といったところだが、あえて柳田氏がこのような投資本を書いたのは巷に溢れている不動産投資体験談が「個別具体的なケースでの成功談や、極めて限定的な投資環境での手法も数多く」見受けられるから。つまりそれらには汎用性がないのだ。
このような着眼点のもとに書かれた本書だけあって、その書き方には偏りがない。柳田氏個人の投資経験を基にしすぎているわけでもなく、購入、資金調達、管理・運営、出口戦略と、入口から出口まで一通り学ぶことができる。
冒頭で触れた不動産投資プレイヤー増加の要因を前提にするならば、参入のモチベーションは「不安」。ただ不安はとどまるところを知らない。自身のことを「『不動産投資ゲーム』を楽しむプレイヤーのひとり」と言う柳田氏。楽しむためにも、そのゲームの基本ルールを知るにはオススメできる。