不動産トピックス

クローズアップ セキュリティ編

2017.04.03 13:57

 不動産・建築を対象にしたセキュリティサービスの進化が著しい。従前までは設備機器そのものの「堅牢さ」、いわば機器の性能に依存する傾向が強かったセキュリティ対策だが、最新の通信技術を最大限生かし、新たな切り口で防犯性能を高めるサービス・製品が登場している。

構造設計計画所 暗証番号をクラウド上で一元管理 先行製品と一線画す「スマートロック」
 「スマートロック」の新機軸が日本に上陸した。構造計画研究所(東京都中野区)が今年1月から販売を開始した「RemoteLock」だ。
 暗証番号を入力して解錠する仕組みを採用しているが、これではただの電子錠と大差がない。何が「スマート(賢い)」なのか、すまいIoT推進部の川村晃一郎氏は「最大の特長は暗証番号をクラウド上で管理する点にある」と力説する。同製品はWi―Fiでインターネットに繋がっており、解錠に必要な暗証番号は管理者画面から簡単に追加・削除・変更できる。解錠者や解錠時間は管理画面に履歴が残り、管理者にメールで通知することも可能。また間違った暗証番号を入力した場合も履歴に残り、意図しない解錠行為をトレースできる。  昨今の不動産業界を席巻する「スマートロック」は「Bluetooth(ブルートゥース)」と呼ばれる通信技術を用いてスマートフォンからの操作によって鍵の開閉を行うのが一般的だ。しかし、このスマホ利用のスマートロックは利用者が専用アプリをダウンロードし、初期設定が必要なことが多い。利用者が操作に慣れていないと使いにくいという側面がある。一方「RemoteLock」は物件管理を主眼に置いた設計になっており、暗証番号を付与したユーザー及び「RemoteLock」を導入した物件の双方を一元管理できる。川村氏は「ユーザーは暗証番号を入力するだけなので、使い方は難しくない。一方、管理者側は暗証番号を元に利用確認が容易にできる」と自信をのぞかせる。スマートロックとして日本国内では後発だが、米国ではすでに1万6000件超のユーザー実績を積み重ねているという。  オフィスビルやアパート・マンション等では内見時のみに利用できる暗証番号を発行し、鍵の受け渡しの手間をなくす他、鍵の解錠時間を把握できることから貸会議室やレンタルオフィスに対して課金システムとの連携の可能性もある。また、米国では2015年から民泊事業者のAirbnbのホスト支援プログラムのパートナーに選ばれており、暗証番号の有効期間を設定できるため、川村氏は「ゆくゆくはホテル・民泊施設への導入を進めていきたい」と抱負を述べる。一方、ドアへの取付工事が必要になるため、原状回復の観点から賃借人よりもオーナー・運営事業者向けといえよう。


Secual 振動・衝撃を検知 「大英自然史博物館展」の展示セキュリティに採用
 Secual(東京都渋谷区)は23日、今年3月18日~6月11日まで「国立科学博物館」にて開催されている「大英自然史博物館展」において展示品の防犯セキュリティ用ソリューションとして同社が展開する「Secual」の採用が決定、モニタリングを開始したことを発表した。
 Secualの防犯センサーは従来のマグネット型センサーと異なり、展示ケースに加わる振動・衝撃を検知することでケースが開閉される前に早期に検知でき、容易に検知箇所を即座に把握することが可能。さらに配線不要なため短期間で導入可能かつ設置箇所を柔軟に調整できる。歴史的に貴重な標本の展示にあたり、事故・事件を未然に防ぎつつ、展示の妨げとならない防犯ソリューションとして評価され、今回の導入に結びついた。 
 同社は「家庭や店舗・事業所の防犯に多くご利用いただいておりますが、今回の展示会のように幅広い用途に応用可能です。当社は今後も継続的な製品・サービスの改善と、安心・安全・便利な社会の実現に努めてまいります」としている。




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