不動産トピックス

今週の一冊

2017.05.29 12:39

テナントのニーズを知ればビル経営にも大きな利

収益Up!空室リスクDown!これから儲かる”テナント物件”
著者:水野清治、テナントショップネットワーク
発行:2017年4月
出版:ごま書房新社
価格:1550円(税別)

 空室を抱えているビルオーナーにとっての一番の満室アイディアの出所は想定入居者となるテナントがどのような物件をほしがっているのか、その生の声を聞けることだろう。
 本書『収益率Up!空室リスクDown!これから儲かる“テナント物件”』はテナントショップネットワークを展開しているテナントショップ(滋賀県草津市)代表取締役の水野清治氏の著作。同氏は創業以来、一貫してテナントの客付けを行ってきた経験を生かし、空室ビルの埋め方や賃料収入の改善の手法について、同社や全国のテナントショップネットワーク加盟店の事例が紹介されている。
 同書はオーナー、テナント双方を読者対象としている。この両者は立場が分かれると見られるが、互いのニーズがわかればマッチしやすい、というのも至極当然と言えよう。
 また同著のなかで、地方・郊外でのビル経営の方法にも言及している。郊外におけるビル経営は困難、という見方も少なくないが「『テナントビジネス』が面白いのは、探されている方の用途が多種多様で、立地も、駅周辺や幹線道路沿いに限らず郊外でも、視認性が悪くても、業種・業態によっては、一等地のテナントになり得ることです」という言葉は興味深い。反転攻勢の機会をうかがう郊外および地方ビルオーナーには戦略的武器になりうる一冊だろう。




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