不動産トピックス
今週の一冊
2017.06.05 11:13
今購入すべきエリアはどこか
不動産格差
著者:長嶋修
出版:日本経済新聞出版社
発行:2017年5月11日
価格:850円(税別)
不動産コンサルタントとして活躍する著者は、これまで不動産取引に関わる多くの著書を発表している。本書も、最新の市場動向を踏まえた上で、今購入すべき不動産とは何かを分析している。
直近の地価公示では、東京都心でバブル景気のピーク時を大きく上回る価格を記録。その一方で地方では都市部でも価格の下落が進行し、不動産価格の明暗が鮮明になりつつあり、今後も二極化が色濃くなると予測される。本書では、ピークアウトしつつある住宅市場について、今後の動きを探るとともに、どのエリアが有望となりえるのかを分析。また、マンションや一戸建て住宅の選び方や、中古住宅の見極め方についてもプロの視点から解説している。
高度経済成長期から郊外のベッドタウン化が進み、かつては庭付き一戸建てが高いステータス性を有していた。しかし現在では都市が生き残る道としてコンパクトシティへと舵を切り、郊外のベッドタウンは不動産価格の下落が著しい。首都圏では、沿線人口の将来予測を見る限り「西高東低」の傾向が顕著に表れてくるようだ。これに加え、著者は災害対応力もまた、都市の価値を左右する大きな要因になると述べている。