不動産トピックス

今週の一冊

2017.06.12 17:20

いずれ爆発する「時限爆弾」「とりあえず」がトラブルの火種になる

あぶない!共有名義不動産
著者:松原昌洙
発行:2017年5月26日
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:800円(税別)

 「時間が経過すると、いずれ爆発する『時限爆弾』」。共有名義の不動産に対する某ビルオーナーの感想だ。
 オーナーへの取材の過程で時々共有名義ビルに出くわすことがある。取材というなかば「公の場」に対応してくれるためか、そうしたビルオーナー(の代表者)は総じて「権利者同士が仲が良いので問題ない」というもの。しかし、本書を一読してもらえばおわかりになるのだが、共有名義不動産がトラブルになるのは相続等でオーナーの関係性が一気に冷え込んだケースが多いことがわかる。トラブルに発展した19の具体例を見れば、冒頭の「時限爆弾」発言にも納得していただけるのではないだろうか。
 起こりえるトラブルの発生確率は非常に高そうだ。これに対して本書では共有名義を解消するための手法をはじめ、専門家の選定基準、加えて物件購入時のポイントまで解説してくれる。小難しい法律用語は極力抑え、要点を簡潔にまとめているので理解しやすい。共有名義不動産で悩まされているオーナーにとっては具体的対応策を講じる際の参考書になるだろう。




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