不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2017.08.14 12:25
■先般「週刊ビル経営」編集部に突然訪問してきた岩世自動車工業(鳥取県倉吉市)の取締役会長、岩世毅氏。倉吉市で保有している本社ビルの賃貸フロアが長期間空室となり「知恵を貸してほしい」とのこと。齢70を越えながらもフットワークの軽さ、行動力には恐れ入る。東京と地方の貸ビルマーケットの違いを説明しながら「はて、地方でも可能な空室対策は何か?」と思案したところ、いくつかの取材先が思いついた。岩世氏はその足ですぐさま訪問したいとのことだったが、さすがに「事前のアポイントを取った方がよいのでは」とご注進させていただいた。この熱意は取材記者以上か。頭が下がる思いだ。
■店舗開業向けたコンサルティングを手がけるオンリードアドバイザーズ(東京都新宿区)の代表取締役、松本眞八氏は「2店目を開業しようと考える店舗オーナーは過信しないように」と警鐘を鳴らす。1店舗目の経営が軌道に乗ると2店舗目の開業を検討する。その際に「単純に1店舗増やしたから売上が2倍になると考える方は意外に少なくない」というのだ。そうした経営者の傾向として「経験に頼り過ぎ、数字で事業方針を検討しない」(松本氏)という。元銀行員である松本氏は「決算書は経営における『共通言語』」と表現しており、最低限決算内容を説明できるようにしておかないと金融機関の信頼も失いかねない。独立して飲食店経営を志す起業家にとっては甘くない直言だ。
■不動産投資に目覚めるきっかけは人それぞれ。中古戸建住宅を中心に投資を行っているai MSC事務所(東京都中野区)の岩橋輝幸氏が不動産投資を始めたきっかけは、サラリーマン時代に経験した「転勤」だった。最初に新築戸建てを購入してすぐに転勤となり、賃貸としたところ収益性の高さに気が付いた。
「以来、資産価値が下がりにくい戸建て住宅を積極的に取得している」と岩橋氏。その経験を生かして投資コンサルとしても活躍中だ。戸建ての購入を検討しているファミリー向けにセミナーも実施しているが「参加者はいつも不動産投資家ばかり」と苦笑い。相談してみてはいかがだろう。
■先月18日、東京・渋谷で「不動産テック6社合同記者説明会」が実施された。AIやVR等のITテクノロジーを活用した新サービスを提供する不動産ベンチャー6社が集結し、事業説明を行うイベントだ。企画したのは管理会社向けに業務効率化サービスを提供するイタンジ(東京都港区)。広報の丹羽弥美氏によると「『不動産テック』という言葉がまだまだ不動産業界で認知されていないと感じ、マスコミの皆さんと懇談できる場を設けました」という。本紙でもたびたび特集している「不動産テック」だが、ビル業界の浸透度はいかに。