不動産トピックス

クローズアップ 太陽光発電編

2017.08.14 12:17

 地球温暖化対策として省エネの重要性が高まっている。エネルギー使用量を実質0にするZEBビル実現に向けて、重要な役割を担うのが太陽光発電だ。国内では太陽光を取り巻く環境が整い、新事業も誕生。更なる普及拡大が見込まれる。

サンテックパワージャパン 目指すは「100年企業」 太陽光発電事業の付加価値高める4つの事業に注力
 太陽光発電専業メーカーであるサンテックパワージャパン(東京都新宿区)は、今年7月31日に創業50周年を迎えたのを機に、次の50年を見据えた「100年企業」を目指す新事業戦略を策定した。取締役社長を務めるガオ・ジャン氏は新事業戦略について「太陽光+α」の強化を打ち出した。「太陽光発電は重要事業として発展させると共に、プラスαとなる新領域の強化を目指していく必要がある」との認識を示し、4つの事業戦略に注力する。
 1つは「長く安心して使い続けられる太陽光発電システムの開発」だ。2019年には自家消費時代に備えた蓄電システムを開発し、全国をカバーするアフターサポート体制の拡充を目指す。今年6月には全国160のサポート拠点を整備したが、今後も増やしていく方針だ。2つ目は「低コスト・ハイパフォーマンスな発電所開発の強化」。三重県に23・5メガワットの特別高圧大陽光発電所の開発を進める等、周辺地域との共生を重視し、安全かつ堅牢な発電所開発を目指すという。3つ目が「発電施設の保守管理事業の強化」。今年5月には機能強化した遠隔監視センターがリニューアルオープンし、24時間体制で全国の太陽光発電所を効率的に管理することが可能になる。すでに新規でO&M契約を獲得している。そして、4つ目が「再生可能エネルギーのトータルソリューションの開発」だ。地中熱ヒートポンプやLEDの導入に関する実証実験を行う他、集合住宅・オフィスビル向けに省エネを促進させるエネルギーマネジメントの提案サービスの展開、メガソーラー向け大型蓄電システムの開発等を進めていく予定だ。
 国のエネルギー基本計画では「2030年までに再生可能エネルギーはエネルギーミックスの22~24%を占める」ことが期待されており、今年4月に施行された改正FIT法(固定価格買取制度の改正)によって消費者負担の軽減が図られる等、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの普及を後押しする環境が整っている。そうした背景も踏まえてガオ氏は日本の大陽光発電市場について大きな期待を抱いている。
 「日本の太陽光市場はグローバルで最も安定した市場と見ている。経産省の省エネ目標、FITの安定した支払い、太陽光への認識度の高さ、そして金融機関からの融資も柔軟になってきた。FIT単価は42円から21円と半分に減額されたが、太陽光発電全体のコストは2012年当時から半分まで削減に成功。そのため、21円単価でも利回りベースで6~7%が見込める」(ガオ氏)
 太陽光発電の一層の普及に期待したい。


日本エコシステム 既存電力と契約したまま太陽光発電を無料設置
 日本エコシステム(東京都港区)は8日より、同社が提供する電力サービス「じぶん電力」において、現在加入している電力会社と契約をしたまま太陽光発電システムが無料で設置でき、料金単価が割高となるデイタイムをアシストする新プラン「デイタイムアシストプラン」の提供を開始した。
 「じぶん電力」は加入者が保有する物件の屋根に日本エコシステム所有の太陽光発電システムを無料設置し、じぶんの屋根で発電した電気を直接利用する電力サービス。初期費用の負担なく環境にやさしい電気を利用でき、停電時には発電している電気を非常用電源として無料で利用できる。20年間の契約期間満了後は、太陽光発電システム一式は無償譲渡され、加入者の所有となる。「デイタイムアシストプラン」は既に加入している電力会社との契約はそのまま継続可能なため、料金単価が割安となる夜間は今まで通りの電力会社からの電気を利用し、割高となる日中(デイタイム)は太陽光発電で発電した電気を割安な価格設定で利用できるのが魅力だ。オール電化(エコキュート、IHクッキングヒーター)を設置しているケースや、日中の割高な電気料金を見直したい等の多様なニーズに対応する。


東京ガス/自然電力 太陽光発電所の建設・運営手掛ける新会社設立
 東京ガス(東京都港区)は1日、太陽光発電事業の開発を行うための新会社「プロミネットパワー(東京都港区)」を設立した。資本金は9・9億円、東京ガスが100%出資する。2月23日に自然電力(福岡市中央区)と締結した資本業務提携契約に基づき、今後設立が予定される太陽光発電所の建設および運営等を手掛ける事業会社への投資や管理を行う。
 自然電力は日本全国で約700メガワット(2017年7月末時点)の太陽光発電事業に携わった実績を誇る。2013年より、世界的な風力・太陽光発電事業のディベロッパー・EPC(設計・調達・建設)企業であるドイツのjuwi(ユーイ)社とともに、ジョイント・ベンチャーを立ち上げ、グループとして再生可能エネルギー事業の開発・EPC・O&M(運営・保守)・AM(アセットマネジメント)をワンストップサービスで提供することができる。一方、東京ガスは「チャレンジ2020ビジョン」で再生可能エネルギーの取り組みの推進を掲げており、再生可能エネルギー電力の購入や再生可能エネルギー電源への出資等を検討してきた。太陽光発電所の建設を具体的に検討するため、新会社設立に至った。




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