不動産トピックス
今週の一冊
2017.09.11 12:54
富裕層を魅了する米国不動産の底力
戦略的アメリカ不動産投資
著者:井上由美子
発行日:2017年8月31日
発行所:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1400円(税別)
アメリカの不動産の話題……どこかで見たなと感じられた方もいるかもしれないが、本号4面で触れたオープンハウス(東京都千代田区)の「アメリカ不動産事業」進出がまさにそれだ。ちなみに本書の著者である井上由美子氏は2017年4月よりオープンハウスのウェルス・マネジメント事業部部長に就任し、先の記者説明会に登壇した人物でもある。新事業への進出と共に発行されたのが本書であり、一読すればアメリカ不動産の魅力がわかるはずだ。
分散投資は資産を守るための常套手段だが、日本の富裕層はすでにアメリカ不動産投資に参入しているという。世界最大の不動産市場であり、出口となるプレーヤーも多数存在する。加えて、少子高齢化で不動産需要の減退が危惧される日本とは異なり、人口増加を続けている。外資系不動産サービス会社の調査では「アメリカの不動産情報に関する透明度は世界屈指」とされるように、取引価格等の豊富なデータも揃い、投資環境が充実している。
日本経済の先行きは不透明であり、大切な資産を守るためには「日本一極集中」は避けるべき。こう考える富裕層がアメリカ不動産へ食指を伸ばしているのだ。グローバル経済を生き抜くためには不動産投資戦略も幅広い視野で考えるべきではないだろうか。