不動産トピックス
第19回不動産ソリューションフェア注目の講演・出展企業紹介
2017.09.25 17:42
時代の変化とともにオフィスビルに求められる機能・役割も大きく変わろうとしている。今回の不動産ソリューションフェアは「次」を予見するセミナー・出展ブースが目白押しだ。
セミナー「(続)世界の不動産市場における東京と不動産市況の展望」 10月17日11時20分~12時10分G会場
オフィス大量供給、働き方改革…社会情勢の変化に対応するビル経営の新・常識
世界700超に拠点を持ち、ロンドン証券取引所に上場している総合不動産サービス会社サヴィルズの日本法人であるサヴィルズ・ジャパン(東京都千代田区)が昨年に引き続きセミナー講演を実施する。昨年好評を博した講演の最新版としてテーマを「(続)世界の不動産市場における東京と不動産市況の展望」とした。常日頃、投資家に向けて不動産市況を発信しているリサーチ・アンド・コンサルティング部部長の金子哲也氏が海外投資家の動向、経済的指標・データをもとに世界から見た東京および日本の不動産市場の位置付け、日本の不動産市況について解説を行う他、長年オフィス仲介の最前線で活動し、市場動向の「実態」を観測しているマーケット・リサーチャーの中畑太一氏が新たに竣工するオフィスビルの成約状況等から見る東京五輪までのオフィスマーケット動向について将来予測を行う。アナリストとマーケッター双方の見解が聞けるのが同社セミナーの最大の特長といえるだろう。
今回のセミナーにおけるポイントについて伺ったところ、金子氏は「2020年に向けて東京でオフィスが大量供給される中、オフィス街の中心軸が少しずつ動き始めている」と指摘。特に注目したいのは「渋谷エリアの大規模再開発の行方」とし、今後のオフィス市況の趨勢についてセミナーで解説することになるという。また、中畑氏は東京における新築オフィスビルの成約動向について解説するが「経済的なデータだけではわからないオフィスビル市況の現状の動きや二次空室の動向も交えて解説したい」と意気込みを語ってくれた。オフィス大量供給の現在、2018年頃から空室率の上昇が危惧されるが、果たして実際のオフィス市況はどうなのか。意外な答えが聞けそうだ。
セミナー「新しい空室活用に『monooQ』を提案」 10月16日11時20分~12時10分G会場
「荷物を預けたい人」と「荷物を預かってくれる人」とをつなぐ個人間のモノ置きシェアサービス「monooQ(モノオク)」を展開するLibtown(東京都港区)が不動産ソリューションフェアに初出展すると同時に、セミナー講演も行う。
「monooQ」は今年3月よりスタートしたサービス。空室や空きスペースなどを有する個人がサービスに登録し、荷物を預けたい人とのマッチングをはかるもの。4面にも掲載しているが、先日より長期預かりへの対応も始まったことから、初期投資のかからない新しい形のトランクルームとして不動産業界内でも注目が集まっていて、一般メディアによる報道も相次いでいる。
ブースではサービスの概要やメリットについて説明していき、物件オーナーにとって利用のメリットも伝える。また10月16日G会場11時20分~12時10分の回でセミナー講演も行う。登壇するのは代表取締役の阿部祐一氏。同社サービスについての説明はもとより、近年熱の高まるシェアリングエコノミーについての解説も行う。
不動産業界におけるシェアリングエコノミーの新星を見逃すことはできない。
セミナー「ビルにおけるシェアリングエコノミー(ビルの活気はシェアから生まれる) 10月17日14時10分~15時D会場
中小ビル専門のコンサルティング会社であるバリューレイズ(東京都港区)執行役員の山田武男氏が昨年に引き続き「不動産ソリューションフェア」でセミナー講演を行う。本紙9月4日号まで続いたコラム連載「ビルにおけるシェアリングエコノミー」の「まとめ」とその先にある将来像について言及することになる。
コラム連載では昨今注目が高まっている「シェアリングエコノミー」をビルに取り入れ、ビルの活性化を実現したモデルケースを取り上げてきた。
「シェアリングエコノミー」とはモノやサービスを専有せず、複数人が必要な時に必要なだけ使用する概念であり、若者世代を中心に広がりを見せる新たな経済的価値観と位置付けられる。この概念をビルにあてはめるとどうなるのか。コラム連載では大掛かりなリノベーション工事を必要とせず、館内規約にゆとりを持たせることでテナント同士が良好な関係を構築した事例をはじめ、居抜き案件における既存テナントと後継テナントのリレーションシップ事例、さらにビル全体でシェアリングサービスを取り入れた物件紹介などを取り上げ、フロア貸しが基本だったビル運営に新たな価値観を提案してくれた。ビルにおけるシェアリングは一時の流行りになるのか。おそらく時代の変化に対応するべくテナント側からの要望としてニーズが顕在化してきたと考えられる。今後のビル経営を考える上で新たな指針となりそうだ。
セミナー「相続税の仕組みと相続対策」 10月17日11時20分~12時10分E会場
将来を見据えた相続への準備を解説
弊紙コラム「新進気鋭の税理士が語る 意外と知らない税のコト」でお馴染みの渡部会計事務所(東京都渋谷区)、渡部和広税理士。同氏は大学を卒業後、一般企業に就職。税理士を志すようになったのは30歳を過ぎてからという、異色の経歴の持ち主である。独立開業してからは「話しやすい税理士事務所」を目指し、地元・渋谷を中心に起業家の支援から相続・贈与などに関するコンサルティングといった資産家向けのサービス提供を展開している。
不動産ソリューションフェアでは、「(仮)相続税の仕組みと相続対策」というテーマでセミナーを予定している。不動産を所有するオーナーであれば、相続は誰もが通る道。しかし一般論で語られる相続対策が、必ずしも自身にとって最善策になるとは限らない。このセミナーを通じて相続税の仕組みを今一度学ぶと同時に、次の世代に資産を継承していくために必要なノウハウを蓄積して頂きたい。