不動産トピックス

ビル業界ミニトピックス

2017.10.30 10:59

■工場・倉庫を専門に扱う不動産会社のタープ不動産情報(東京都文京区)。ノベルティの充実度が凄まじい。中でもユニークなのは社長のトレーディングカードがおまけに付く「社長チップス」だ。プロ野球選手やサッカー選手のカード付きポテトチップはご存知かも知れないが、その社長版があるとは恐れ入る。全国から募集した470人分47都道府県×10人の社長が登場する中、三浦孝志社長のカードも含まれる。
 カードの裏側には会社概要や自社の強み、尊敬する人物、おすすめの書籍、パワー飯、底力の源といった社長のパーソナル情報が掲載されている他、自己申告ながら「社長戦闘能力測定」まで記載されている。ちなみに三浦社長は300点中240点とまずまずの数値。三浦社長によると「私の知らない間に部下が決めてしまった」と苦笑い。その部下の能力はどうですか?


■三井不動産(東京都中央区)とアカデミア有志が中心となって昨年3月に一般社団法人のライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(東京都中央区、以下LINK―J)を設立。日本橋エリアを拠点に産官学連携によるライフサイエンス領域での新産業創造を支援する活動を継続的に行っている。不動産業界を専門に追いかける幣紙記者にとってライフサイエンス分野はまさに「異次元の領域」。さぞ難解な研究を繰り返していると思いきや、意外に柔らかい取り組みを行っていた。「ネットワーキングナイトwith Suppoters」なる数10人~100人規模の交流・連携イベントでは「最初にお酒を飲んで、柔らかな雰囲気を重視している」とLINK―Jの曽山明彦氏が教えてくれた。
 酒は百薬の長、イノベーションを生み出す源泉でもある。

■お酒の話をもう1つ。不動産金融業界に向けて人材紹介を行っているエムユーシー(東京都湊区)のオフィスで「不動産ベンチャー座談会」(10月9日号掲載)の取材を行ったが、なぜかバーカウンターと本格的なビアサーバーが完備されていた。代表取締役社長の梅小路学氏は「毎晩飲み会を開いている」と説明するが、業績は毎年拡大しているというのだ。いまや死語になりつつある「飲みニケーション」の有用性を垣間見た。

■埼玉県蒲生市で不動産コンサルティング事業を営み、「越谷大家の会」を主催するアイホームコンサルティング代表取締役の井上嵩久氏はアクティブ・ブレインアカデミーの認定トレーナーとしての活動も行っている。アクティブ・ブレインとはアクティブ・ブレイン協会(東京都港区)が提唱する「脳力開発」のこと。いくつかの記憶の技法を学びながら、総合的な脳力を開発していて、同協会公式ホームページによると27年8月末までのベーシック・コース受講者は3万1983人、セミナー全体では延8万人超となっている。
 「記憶力向上ではなく、脳のコントロールができるようになるということがアクティブ・ブレインのポイントです。人間の脳は数%しか稼働していないと言われていて、この不活性な脳を活性化させて、あらゆる人間活動の礎とするものです」(井上氏)
 アクティブ・ブレインの手法を取り入れるために認定トレーナーが全国でベーシック・コースを開催している。
 今年より井上氏はこのアクティブ・ブレインを活用した宅建講座を開催。アクティブ・ブレインによる不動産系の資格講座を開催するのは初のことで、今月15日に開催された宅建試験に受講生が挑んだ。
 「まだ結果は出ていませんが、手応えを感じる面もあれば、次へ生かすべき点も見つけることができました」と話す井上氏。11月29日に合格発表を予定しているが、その結果に注目したい。

■ワイズ不動産投資顧問(東京都千代田区)代表取締役の山田純男氏は現在の競売市況について「このような展開は予想していなかった」と嘆息する。
 東京地方裁判所による競売データによると、基準価額からの上乗率は昨年に比べて若干下落。主なプレーヤーである再販業者の高値掴みへの警戒感の現れだが「競売になる物件数が今年は800件を切りそうな展開となっている」と指摘する。再販業者にとって仕入れできないことは致命的で、「引き続き高値で取引されそうな様相を見せると同時に、クセのあるような物件でも入札は集まっている」と言う。
 長年、競売市況を観察し、自らも入札を行ってきた山田氏にとっては現在の状況は「異常」。その理由を「金融緩和が要因となっている」と言い、次のように続ける。
 「競売にかけられる不動産の件数は年々減少が続いている。金融機関も通常であれば焦げ付きを恐れるような案件でも、超低金利時代のため強く催促しているわけでもないようです。結果的に競売市場は物件供給が極端に少なく、基準価額に対する上乗率が慢性的な上昇傾向にある」(山田氏)
 このような状況下で懸念のひとつとなるのが不動産市況の動向だ。自らもテナントビルや賃貸マンション・アパートなどを有するオーナーであるが「賃料の下落傾向にはないが、特段上昇機運もなく、横ばいでの動き」だと言う山田氏。問題となるのは賃料上昇機運がないなかで、不動産の物件価格だけが上昇する、この関係が「どこまで持続できるか」だ。
 この競売市況の状況についてはいずれ本紙で詳報する。




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