不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.11.06 16:58

JR九州ホテルズG12施設が世界的口コミサイトと連携
 JR九州ホテルズ(福岡市博多区)は、グループホテル全12施設に、トリップアドバイザー(本社・米国マサチューセッツ州)が提供している「ビジネスアドバンテージ」を導入している。
 JR九州ホテルズでは、今回の導入をきっかけに、より一層トリップアドバイザー上のランキングの向上を図り、自社ブランドの認知度向上、顧客エンゲージメントの強化、集客力の拡大に大きな期待を寄せている。
 「今回の契約により、当社のビックデータを活用した競合分析機能を始め、専任コンサルタントによる各種コンサルティングサービスを受けることが可能となるため、目標の達成に向けて共に進んで行ければと思います」(トリップアドバイザー ホテル事業部長 斉藤 拓美氏)
 「ビジネスアドバンテージ」は、登録施設を対象に集客はじめ運営をサポートするもの。2010年に開始した「ビジネスリスティング」をさらに進化させたサービスで、利用施設からの意見やトリップアドバイザーの旅行者データを元に開発し、2017年より導入を開始した。
 主な機能は、フォトツールやビデオツールといった施設をアピールする「メディアルーム」、施設の連絡先や特典などをアピールする「プロモーション機能」、競合施設や旅行者の動向などを分析する「データアナリティクス」などの機能を備える。宿泊施設が見込み客に対し、より効果的に施設の良さをアピールすることで予約を促すほか、競合施設に差をつけ、オンライン評判を分析して改善することをサポートする。
 「ストーリーボード」を中心としたに、リスティングページ上のフォトツール機能は、カバー写真を、自身で選択した写真で各カテゴリーに表示することが可能だ。このツールを活用することで施設を最大限アピールすることができる。
 トリップアドバイザーには世界各国700万以上の宿泊施設、航空会社、観光名所、レストランが掲載されており、5億3500万件以上の口コミ情報が寄せられている。サイトに寄せられた情報は、旅行者がどこに泊まり、どのフライトを使い、現地で何をして、どこで食べるかを選択する際の参考として利用されている。
 同社ブランドのサイトは世界最大級の旅行コミュニティを形成しており、世界49の国と地域におけるユニークユーザー数は、月間平均4億1500万人にも及ぶ。

iVacation 外国人をターゲットに「お菓子食べ放題」ホステル開業
 不動産IT企業インベスターズクラウド(東京都港区)の子会社であるiVacation(同)では、コンセプト型IoTホステル第一弾として「TRIP POD FUKUOKA-snack & bed-」を10月21日にオープンさせた。
 同施設は鉄骨造陸屋根5階建て、広さ279・28㎡に総ベッド数60ベッドを配置する。
 訪日外国人観光客や国内旅行客をターゲットとし、「日本の菓子を食べながら寛げる」ことをコンセプトとしているのが特徴。
 「日本のお菓子文化を楽しんでいただくため、昔ながらの駄菓子から、和菓子やスナック菓子、スイーツのほか、ご当地お菓子や、ここでしか買えない限定のお菓子などを用意いたします。宿泊者は無料で食べることができ、気に入ったお菓子をお土産として購入することもできます」(同社)という。
 オープニングに際し、タレントのNikiとモデルの杉本美穂を起用し、PRを行った。また、オープニング記念として福岡の老舗お菓子「にわかせんぺい」とコラボを行い、利用者には先着で、にわかせんぺいが入った「にわかせんぺい×TRIP POD」のコラボポーチを配布。さらに、店内で菓子を好きなだけ食べることのできるエリアには、写真撮影の小道具としても使えるフォトジェニックなにわかせんぺいのお面クッションを置き、「菓子を食べながら気軽に宿泊できるだけでなく、利用者が楽しめる仕掛けが盛りだくさんとなっております」(同社)。
 iVacationが展開するコンセプト型IoTホステルは、OTAやサイトコントローラーと連動したスマートチェックイン機によるチェックインや、多言語対応チャットを装備し、旅行者をサポートするIoTデバイス「TRIP PHONE」を活用したサービスを提供する。「旅行者のスムーズなチェックインとIoTデバイス『TRIP PHONE』の活用で、国内外の旅行客に安心安全なサービスと快適な旅行環境を提供します」(同社)。
 同社は2016年6月1日設立。「TRIP PHONE」の開発・レンタルや宿泊マッチングプラットフォーム「TATERU bnb」の開発、運営、民泊物件の運営・代行、民泊及びバケーションレンタル物件の開発等を展開している。


「キャビンホテル」海外LCCと提携 無料特典で外国人利用者にサービス
 「ワイズキャビン大阪難波」、「ワイズキャビン横浜関内」など、独自の宿泊施設「キャビンホテル」を展開している長谷川ホテル&リゾート(東京都豊島区)は、台湾で最初のLCCであるタイガーエア台湾(本社・台湾台北市)と業務提携した。
 日本・台湾相互に人気のある渡航地であることを受け、タイガーエア台湾は2017年夏のスケジュールの増便を発表し、長谷川ホテル&リゾートは2施設の無料特典を提供する。
 大阪エリアでは、関空を旅の拠点として利用する人や観光の疲れを癒す場として、また東京エリアでは朝到着・出発の方の身支度、リフレッシュの場として同ホテルの大浴場施設を利用することができる。
 タイガーエア台湾は現在、関空、羽田、成田、那覇など国内9都市に就航し、日本と台湾を結ぶLCCとして更なる増便を計画。長谷川ホテル&リゾートも年内に大阪エリアでさらに2つのビジネスホテルがオープンし、以降、那覇、石垣島、旭川、札幌での計画も進行している。 
 長谷川ホテル&リゾートとタイガーエア台湾は今後も連携を強化し、より付加価値の高いサービスを提供していきたいという。
 長谷川ホテル&リゾートが展開している「キャビンホテル」とは、いわゆる簡易宿泊所ながら、ビジネスホテルよりも低価格で、カプセルホテルよりも上質、かつ安全面に配慮した新たな形態の宿泊施設のこと。
 第一号の「ワイズキャビン横浜関内」(横浜市中区)は昨年10月の開業以来、出張はもちろん、旅行者を中心に稼働率は85%以上で推移している。
 8月9日に開業した「ワイズキャビン大阪難波」は、地下鉄御堂筋線・四つ橋線「なんば」駅より徒歩1分に位置。訪日外国人向けの対策も強化。外国語対応のスタッフはもちろん、自動外貨両替機を用意。マップやサイト等も外国語対応する。日本らしさを味わってもらうため、畳でくつろげるラウンジスペースも設ける。


際コーポ―ション 地銀と協業でリゾートホテル開発
 飲食店事業を展開している際コーポレーション(東京都目黒区)は、リゾートホテル事業を展開している。この程、長崎県新上五島町と十八銀行(長崎県長崎市)、ドーガン(福岡市中央区)で、五島列島の地域活性化を目的に連携、リゾートホテルの建設・運営を目的とした新会社「五島アイランドリゾート」を設立する。
 同社は、十八銀行が出資する「元気な長崎」応援ファンドと十八銀行の投融資支援を受け、新上五島町内で遊休公共施設を活用し、新規ホテル事業を開始する。新規ホテルは2018年7月の営業開始を目指す。
 新上五島町は、世界文化遺産候補の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「頭ヶ島の集落」があることから注目を集めており、観光客の増加が見込まれている。「今回の取り組みにより、インバウンドを含めた観光受入拠点の整備による観光振興とともに、新規ホテルの開業に伴う雇用の増大、地元食材の利用拡大など、経済循環・地域活性化を推進していきたいと考えています」(同社)。  際コーポレーショングループでは現在、「柚子屋旅館」(京都市東山区)、「五島列島リゾートホテル・マルゲリータ」(長崎県新上五島町)、「柚子屋旅館 金沢 緑草音」(石川県金沢市)、「山乃尾」(同)の計4拠点の旅館・ホテルを運営し、2018年中には神奈川県湯河原町、岐阜県高山市で新たな旅館を運営する予定だ。


コンフォートホテル VR体験付きプランを販売
 チョイスホテルズジャパン(東京都中央区)が運営している「コンフォートホテル東京東神田」(東京都千代田区)では、VR(仮想現実)体験付きプランの販売を開始した。
 これはクリーク・アンド・リバー社(C&R社 東京都千代田区)が販売する一体型VRゴーグル「IDEALENS K2+(アイデアレンズ ケーツー プラス)」と、ゲームや映像などのVRコンテンツの提供によるもの。
 今回のVR付き宿泊プランは、室数限定のプランを予約すると、約10種類のVRコンテンツが格納された「アイデアレンズK2プラス」をチェックイン時に借りることができる。
 「アイデアレンズK2プラス」は、PCなどの機器に接続しないケーブルレスの一体型専用VRゴーグルながら、2・5K相当の高精細な映像を見ることができる。宿泊者は、スマートフォンでは味わえない、専用機ならではの本格的なVR映像と没入感が体験できるという。
 「コンフォートホテル」は、チョイスホテルズジャパン運営の宿泊品質を追求したエコノミーホテルブランド。米国発の世界最大級のブランドで、日本国内だけで53施設を展開している。




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