不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2017.11.13 11:43

福岡地所グループ エフ・ジェイ・ホテルズ 札幌・大阪に出店し全国展開へ 
 福岡地場大手デベロッパーの福岡地所グループで、「グランド・ハイアット・福岡、ハイアット・リージェンシー・福岡」といったラグジュアリーホテル、フィットネスクラブ等を運営しているエフ・ジェイ・ホテルズ(福岡市博多区)は、「ホテルフォルツァ」ブランドを全国展開させる。
 2019年春に「ホテルフォルツァ札幌駅前(仮称)」、同年夏に「ホテルフォルツァ大阪北浜(仮称)」を出店する計画だ。
 札幌店はJR「札幌」駅南口 徒歩4分に位置し、敷地面積894㎡、客室数約200室。事業主は福岡地所(福岡市博多区)、設計は山下設計(東京都中央区)。一方、大阪店は京阪本線「北浜」駅徒歩1分。敷地面積は822㎡、客室数約200室、事業主は中江産業、設計は山下設計。「ホテルフォルツァ」は、「必要なものを必要なだけ贅沢に配した、くつろぎと眠りを追求する宿泊重視型のスマートホテル」をコンセプトに展開。これまでに「ホテルフォルツァ大分」(大分県大分市)、「ホテルフォルツァ博多(筑紫口)」(福岡市博多区)、「ホテルフォルツァ長崎」(長崎県長崎市)と、九州に3軒開業してきた。今年に入り、2月にはJR「博多」駅博多口徒歩3分の場所に113室の「ホテルフォルツァ博多駅博多口」、8月には「ホテルフォルツァ博多(筑紫口)」新棟を開業している。
 同ホテルブランドは、客室に無料で利用できるiPadを設置しているのが特徴だ。室内備品をはじめ各種インフォメーションを案内する「マニュアルアプリ」、約款やサービス情報等ホテル基本情報とホテルスタッフが選んだおすすめスポット情報等を案内する「ホテル案内アプリ」や、「アンケートアプリ」などオリジナルアプリを搭載。
 既に設置しているホテルでは、ペーパーレス化や情報管理の一元化等業務の効率化に繋がっているという。また、「アンケートアプリ」があることで、幅広い年齢層からアンケートの回答を得られるようになり、その回答もリアルタイムで集計できるため迅速な対応ができるようになる等、宿泊客とのコミュニケーションの向上に繋がっているという。
 同社では今後も、全国主要都市への新規出店を積極的に進める予定だという。


新規参入・新ブランドが続々登場
良品計画が中国に2018年に2棟
 良品計画(東京都豊島区)は本格的にホテル事業を展開する。中国の深センと北京に出店するホテルの名称を、このほど「MUJI HOTEL SHENZHEN」、「MUJI HOTEL BEIJING」に決定し、深センは2018年1月18日、北京は2018年3月20日に開業する。
 「MUJI HOTEL SHENZHEN」は、全79室、2階にレセプション・ロビー、3階会議室・ジム、4~6階が客室。このほかレストラン「MUJI Diner」を併設する。
 中国広東省深セン市の中心地に近い場所に建設中の総合商業施設内の建物に入居する。全体のコンセプトと客室内のデザインを無印良品が行い、運営は深業上城のデベロッパーである深業グループの深セン深業酒店管理有限公司が行う。
 同じ建物の2階には「MUJI Diner」を導入、宿泊者が朝食から夕食、バータイムまで利用できる。3階で営業を開始する無印良品店舗と合わせて、無印良品全体の世界観を体感できる作りとなっている。
 一方、「MUJI HOTEL BEIJING」は、全42室、1階にレセプション・ロビー・カフェ、2~3階に客室、4階にレストラン。ブックショップ、ミーティングルーム、ビジネスセンター、イベントスペースを併設する。
 北京市の旧市街地として歴史ある建物が多く残る再開発地域、北京坊の一角に位置。良品計画が提供する無印良品のコンセプトの下、UDS(東京都渋谷区)と同社の中国現地法人の誉都思建筑咨洵(北京)有限公司が企画、内装設計を行い、UDSの中国現地法人である誉都思酒店管理(北京)有限公司が経営を行う。
 同ホテルは「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトに、「ちょうど良い価格で良く眠れ、旅先において体と心を整える空間と、宿泊客と土地をつなげるサービスを用意します」(同社)
オークラは投資会社と「ニッコー スタイル」
 一方、ホテルオークラ(東京都港区)と不動産投資会社「Trinity Investments LLC」(本社・米国ハワイ)は共同事業として、新たなホテルブランド「ニッコー スタイル」を展開していく計画だ。
 同ホテルは、セレクトサービスホテルのカテゴリーに位置付けられるライフスタイルホテルブランド。文化、健康、環境に対する関心が高く、ホテル滞在にも新しい体験を求める層をターゲットにしている。同ブランドは、「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」の新ブランドとして、現在約5件の案件が進行しており、2018年を目途に運営管理契約を受託しはじめ、ホテルオークラの子会社「オークラ ニッコー ホテルマネジメント」の運営のもと、国内・海外主要都市で展開していく予定。
 標準客室面積を約30㎡とし、付帯施設にコミューナルロビー、オールデイダイニング・バー、フィットネス・ジムを設置。ロビーにバー、レストランを併設、またイベントエリアも設置、その土地の文化やアートを学ぶワークショップやミュージシャンのライブ演奏を行っていくという。 「地域の食材にこだわった料理や音楽、アートを通じてホテルゲストや地元の人々が集まり、つながる場を提供することをブランドの世界観とし、付帯施設としてコミューナルロビー、オールデイダイニング・バー、フィットネス・ジムを設置します」(同社)
 ホテルオークラの子会社であるオークラ ニッコー ホテルマネジメントでは、「オークラ ホテルズ&リゾーツ」、「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」、「ホテルJALシティ」の3つのブランドを運営しており、現在、国内47、海外25の合計72ホテル、総客室数2万2513室を展開している。
 一方、Trinity Investments LLCは、プライベート不動産投資会社で、現在までの世界各地の不動産投資は45億ドルの規模に達し、そのうち宿泊施設を対象とした投資は、20億ドルにも上る。同社とパートナー企業が保有する資産は、「ザ・リッツ・カールトン・カパルア」、「ウェスティン・マウイ・リゾート&スパ」、「ル・メリディアン・メキシコシティ」がある。

ウェブマガジンが宿泊事業開始
 CHINTAI(東京都港区)が運営している、首都圏在住の20代後半~30代女性向けウェブマガジン「haletto(ハレット)」が、宿泊事業を開始した。「haletto house」ブランドで、10月30日より江ノ島電鉄「腰越」(神奈川県鎌倉市)で運営する。長期間空き家となっていた物件を借り上げ、リノベーションする。
 第1号物件となる「haletto house 001 KOSHIGOE」は、江ノ島電鉄「腰越」駅から徒歩1分の場所に位置し、2017年8月より試験的に運用を行ってきたもの。築41年で、専有面積は1階約40㎡、2階が約35㎡。間取りは4DKで、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機のほか、電子レンジ、IHクッキングヒーター、炊飯器などを用意する。シャンプーやボディソープなどのアメニティは、女性に人気のブランドである「LEAF&BOTANICS」を提供する。通常価格は2万円から。そのほか、宿泊者が街にでかけたくなるような、近隣の飲食店や観光施設、買い物ができる場所などを掲載したオリジナル地図を設置する。
 今後はウェブマガジン上で腰越の街の紹介を行うほか、イベントやワークショップも積極的に行っていく計画。
 同物件を運営するハレットは、「まだ知らないTOKYOの新ガイドブック」をコンセプトに、編集部が実際に体験し感じたことを取材。東京近郊の文化、食、自然、暮らし方、遊び方などさまざまな情報を発信している。


ホテルメッツ船橋がオープン
 JR東日本グループ(東京都渋谷区)は、JR「船橋」駅南口に建設中の複合ビルを2018年2月にオープンさせる。地下1階から5階にはショッピングセンター「シャポー船橋 南館」が、6階から10階には宿泊特化型ホテル「ホテルメッツ船橋」が稼働する予定だ。
 同施設は鉄筋コンクリート造、地上10階地下1階建て、延床面積約9800㎡。
 同ホテルは、「ホテルメッツ」ブランドで24番目、千葉県では2番目のホテルメッツになる。客室数は161室で朝食会場も用意する。同ホテルは、船橋の地名の由来「船の橋」から船と水辺をイメージとしたもの。ビジネスや観光レジャーの拠点、地域の方々のゲストハウスとしてさまざまな需要を期待している。
 客室は、足を伸ばせるゆとりあるバスタブと、ロビーで好みに応じて選べる入浴剤を提供。寝具は、ホテルメッツ初となる睡眠時に最適な温度になるようダウン比率を調整した特製掛け布団と、テンピュール社製の枕を用意、枕は低反発枕と表裏で硬さの異なる枕の2種類を用意し、自分好みの硬さが選べるようになる。




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