不動産トピックス
今週の一冊
2017.11.13 11:39
AIの脅威、過度に恐るるべからず
AI時代を生き残る仕事の新ルール
著 者:水野操
発行日:2017年11月15日
発行元:青春出版社
価 格:840円(税別)
人工知能(AI)の急激な進化によって、多くの仕事がAIにとって代わられる。そう危機感を抱く方は多いのではないだろうか。筆者が従事する「記者」という職業も将来的にはAIが従事する可能性は非常に高いのが現状だ。すでにAIによって著された小説が有名文学賞の一次選考を突破し、決算短信等の規則性のあるニュースをAIが報じることも可能になっている。ウェブ上に無数に存在するSNSには多様な意見が氾濫しているが、これらをAIが分析し記事化することは十分に想定できる。感情を持つ人間が執筆するニュース原稿よりも公平なのかもしれない。
AIがこれからの世の中をリードするのは間違いなさそうだが、本書ではAIをいたずらに脅威と捉えず、AIと協業する新たなビジネス環境に対してどのように対応していくべきかを提唱しているように思える。本書によると不動産業界におけるAI関連サービスは他業界に比べて数多く登場しているそうだが、あくまでも現在の業務内容を効率的に回すために存在しているに過ぎず、今からAIに怯えるのは不毛以外の何物でもない。
AIへの耐性がある職業にも触れており、「ビジネスの意思決定者」であるビルオーナーは安泰といえる。とはいえビルオーナーが注意すべきはAIよりも少子高齢化による不動産ニーズの低下に他ならないが。