不動産トピックス

クローズアップ 宅配ボックス編

2017.11.27 11:42

 何度も取り上げてきた宅配ボックスに、また新たな製品やサービスが生まれている。設置・導入した物件数も日増しに増加しており、今後は荷物の受け取りが無人で行うことが当たり前になると思われる。が、一方で駅・スーパーなどに設置する誰でも利用可能な宅配ボックスの助成金が政府の方針でなくなる可能性が出てきた。今のうちに利便性が高い宅配ボックスを購入し、快適な荷物の受け取り環境を構築することも重要と思われる。

穴吹工務店とフルタイムシステムが共同開発
マンション共用部分のオートロックと宅配ボックスに顔認証技術の組み合わせ
 大京グループで開発事業を手掛ける穴吹工務店(香川県高松市)とフルタイムシステム(東京都千代田区)は、マンション共用部分のオートロックと宅配ボックスに顔認証技術を組み合わせた「サーパスエスコートサービス+F―ace(フェイス)」を共同開発した。なお、オートロックと宅配ボックスに顔認証技術を組み合わせたセキュリティサービスは、日本初(2017年10月:フルタイムシステム調べ)である。
 従来の「サーパスエスコートサービス」は非接触ICカードの認証機能を利用したセキュリティシステムで、対応キーひとつでマンション共用部分のオートロックを解除し、宅配ボックスの荷物取り出しができるものであった。「便利」という声がある一方で、「認証キーをかざすのが面倒・手間」、「忘れて外出した場合には入れなくなる」などの意見もあった。穴吹工務店とフルタイムシステムは、更なるセキュリティシステムの強化と利便性向上に応える形で、物理キーが不要で鍵を落とす・忘れる、なりすましの心配のない入館システムを開発し提供開始した。
 フルタイムシステム代表取締役副社長の原周平氏は「『サーパスエスコートサービス+F―ace』を導入することで、従来よりも煩わしくなく、強固なセキュリティによる安心・安全に配慮した住まいをお客さまに提供できます。このシステムの魅力をもっと発信してゆきたい」と語った。
 同サービスはサーパス磯部町(富山県富山市、今年12月竣工予定)とサーパスシティ呉ゲートレジデンス(広島県呉市、来年1月竣工予定)に先行導入する予定。更に、今後計画する物件については、物件特性に応じて順次導入していく予定だ。また、穴吹工務店が過去に施工した物件がリニューアル工事する際に同サービスの導入提案をすること、フルタイムシステムの販路を通じて他社施工マンションへの導入を進めることも予定している。


ディノス・セシール 玄関設置型の専用宅配ボックス オンラインショップで販売開始
 ディノス・セシール(東京都中野区)は2日、玄関設置型の専用宅配ボックスをセシールで展開するインテリア雑貨カタログ「目のつけどころHappy Book 2017真冬 vol・13」とセシールオンラインショップで発売開始したことを発表した。  同製品のデザインは木目調で、自宅の顔でもある玄関の雰囲気を損なわないことを意識している。また、一度投入された荷物は鍵を開けない限り再び取り出せないため防犯性にも優れ、受領印はボックス内に保管が可能。ボックスの底全面には荷物を投入の衝撃をやわらげるクッション材を使用するなど、構造的にもさまざまな工夫を施した。
 また投函した不在票などが抜き取られないように、扉板が奥まで届いて蓋の役割を果たす点も特長だ。価格は1万9800円(税抜)。

ナスタ 来年に向けて新製品の販売やシリーズの拡充を検討
 宅配便の再配達削減に取り組むナスタ(東京都中央区)では、蔦屋家電での取り扱いも開始した。
 再配達課題の解決策として注目を浴びている「宅配ボックス」。その宅配ボックスを販売するナスタが蔦屋家電にて販売を開始し、それに伴い9月23日~24日の2日間に掛けて「二子玉川 蔦屋家電」にて展示会を開催した。開催期間中は宅配ボックス据置タイプ全10種類すべてを設置。宅配ボックスの利便性・必要性を改めてアピールし、普及拡大に努めた。
 広報室の平山浩哉氏は「来年に向けて新製品の販売やシリーズの拡充を検討しております。明確な決定ではないですが、今後も宅配ボックスの新製品開発を行います」と語った。




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