不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2017.12.18 16:27
東急ステイが京都で3店舗 2019年には福岡・天神にも
3名以上の部屋増加 レジャー需要を期待
東急不動産ホールディングスグループの東急ステイ(東京都渋谷区)と、ホテル運営を担う東急ステイサービス(同)は、全国展開を加速させる。
11月27日に同社初の地方店舗となる「東急ステイ京都両替町通」(京都府京都市)をオープンしたほか、新たに、同所では3棟目となる「京都両替町通別館」(同)を出店させる。また、福岡県内初出店の博多に続き、天神地区へ新たに「東急ステイ」を出店させることとなった。
「東急ステイ京都両替町通」は、地下鉄「烏丸御池」駅徒歩2分に位置、客室はダブル49室、ツイン64室の計113室。おばんざいの店「京都ことこと」烏丸御池店を併設する。全室、洗濯乾燥機を完備する。
レストラン棟の基となった町家は、明治10年から20年頃に建築され、織物の卸売業が営まれていた家屋の一部を曳家して残し、町家にあった部材の一部はアートにとして、ホテルの随所に配置した。 例えば、庭にあった手水鉢や石灯籠、御影石等はホテルの庭先に設置し、欄間はアートとしてガーデンツインのベッドサイドに置いた。また、京都らしさを意識し、西陣織の生地をロビー天井の幕体や、フロントカウンターに用いている。
一方、「京都両替町通別館」は、「東急ステイ京都両替町通」の斜め向かいに位置する。敷地面積740・66㎡、延床面積2725・25㎡、鉄骨造、地下1階地上5階建て。客室は69室、開業2018年冬の予定。
同施設はファミリーやレジャーにも対応できるよう3名から4名でも宿泊可能な客室を増やし、「両替町通」とあわせて、多様な客室構成になっている。
東急ステイは今後1年間で、この2棟のほか、「東急ステイ京都新京極通」を計画しており、合計3棟出店する計画。これまでは、東京都内でのみ展開してきたが、地方への出店もかねてより計画しており、中でも、レジャー、ビジネス双方の需要があり、観光地としての知名度も高い京都への出店を特に意識してきた。
同社は以前より、店舗ごとにコンセプトを決め、それぞれの個性と魅力を感じられる施設を目指してきたが、京都でも同様に、客室の機能性、滞在性は共通ながら、画一的ではなく、利用客の目的に合わせて選んでもらえる施設づくりを目指していく。
地方での出店を強化 観光地の知名度生かす
また、福岡天神地区の計画地は、地下鉄「天神南」駅徒歩3分。敷地面積1725・91㎡、延床面積8472・19㎡、鉄骨造、地上13階建て。客室数は252室で2019年春の開業を予定している。
アジアの玄関口である福岡市は出張者及び国内レジャーだけではなく、外国人観光客も非常に多く見込まれるため、従来よりもツインの客室を多めに設置する予定だという。
東急ステイは、「出張」「研修」「転勤時の一時住まい」「入院患者の長期付添い看護」等、中長期滞在客をメインターゲットに都内の観光、海外からの旅行者など「1泊でも長期滞在でも快適な空間」を提供することをコンセプトとして洗濯乾燥機・電子レンジ・ミニキッチンなどを客室内に設置しているのが特徴だ。現在、東京都内17店舗2445室を有している。
ホスピタリティ・オペレーションズ 新ブランド「ホテル・ザ・ノット」オープン
「スマイルホテル」ブランドを全国で展開しているホスピタリティ オペレーションズ(東京都千代田区)は、新ブランドホテルとして「HOTEL THE KNOT YOKOHAMA」を12月1日にオープンさせた。
同施設は、JR「横浜」駅西口から徒歩5分に位置し、客室はセミダブル、ダブル、ツインなど6タイプ計147室。宴会場、会議室、レストラン、インターネット接続無料、ランドリーコーナー、飲料自動販売機等を備える。
「旅―街―人を"結ぶ"ホテル」をコンセプトに、既存施設の客室・レストラン・宴会場を全館大規模リニューアルした。室内の家具は全て「ACME Furniture」のアイテムや特注家具で揃え、気に入れば購入も可能だという。
客室は、港街横浜を感じる客船キャビンをイメージ。「室内に飾られた写真は横浜を中心とした現在の街、客室からも横浜の街の魅力が伝わるよう、地域性、個性を大切にしています」(同社)。
また、レストラン「PANWOK」を新設。これまで10階にあったレストランを通りに面した1階に移動。宿泊者の待合場所としてはもちろん、来館者の打合せスペースなど多目的に利用できる。
会議にも使うことができる会場内はウッドを基調としたシンプルな会場に仕上げた。3階の会場前ロビーはできる限り利用客の使用用途に合わせて変更できるよう、ソファ等の家具は可動できるようにした。
同社は全国でホテルをはじめ、スキー場、ゴルフ場などのホスピタリティ事業を展開。近年、ホテル事業を積極的に拡大させており、2018年4月1日には、「スマイルホテル徳島」(徳島県徳島市)としてリブランドオープンする。
共立メンテナンスがカプセルホテル開業
「ドーミーイン」や「共立リゾート」を展開している共立メンテナンス(東京都千代田区)は、プライベートスペースを全室に備えた進化型カプセルホテル「global cabin 東京水道橋」(東京都文京区)を、12月1日にオープンさせた。
同施設はJR「水道橋」駅から徒歩1分。地上8階建て、室数男性60室・女性28室。客室設備は、全室に共通したカプセル型のベッドスペースにデスクスペースを完備、出張などのビジネスにも対応する。更に「美」と「健康」にこだわったサラダ専門カフェ「ギンサイ キッチン」を完備しており、多彩なベジタブルメニューを用意している。今後は女性ランナー向けに、ロッカー・大浴場などを利用できるランナーズサービスも開始していく予定だ。
同社が展開している進化型カプセルホテルと、従来型のカプセルホテルの違いは、後者が上下2段のベッドスペースのみのところ、前者はカーテンで内部を仕切れる程度の広いスペースを確保しているのが大きな特徴。
第一弾として2016年7月に開業した「global cabin 東京五反田」(東京都品川区)は、地上8階建て、客数は男性72室・女性18室で、ビジネスマンなどに人気を博しているという。
ザ・プリンス パークタワー東京 ロビーのリニューアルを完了
ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)は、国内外からから訪れる多くの人の幅広いニーズに対応するため2016年よりリニューアルを順次進めているが、このほど第二弾・第三弾が完了し、1階ロビーエリアを12月1日に全面オープンした。
宿泊と宴席等の利用でエントランスの動線を分けて整備し、レセプションは邸宅のようなプライベート感ある空間で宿泊客を迎えることができるデザインに一新した。対面式カウンターとは別に、新たにフリーカウンターを設けた。
グループ客など多目的に利用できる「パークラウンジ」は、木目を基調としたデザインにした。
全603室の客室と、約3000名を収容できる大宴会場を備える同ホテルでは、客室各フロアの機能を明確化するリニューアルを昨年より実施しており、個人客から宴会場利用を伴うMICEの利用客の目的に合わせた対応の強化を図っている。
今年4月には、隣接する東京プリンスホテルをリニューアルオープンさせており、受け皿を整備することで、芝公園エリアで合計約1000室の客室や多彩な施設とともに、このエリアでの多様なニーズへ対応していく。
USJオフィシャルホテル オリックス不動産が来年に
オリックス不動産(東京都港区)とユー・エス・ジェイ(大阪市此花区)はこのほど、大阪市此花区で建設中のホテルのオフィシャルホテル契約を締結した。「ホテル ユニバーサル ポート ヴィータ」として2018年に竣工、7月の開業を目指す。
同ホテルはJR線「ユニバーサルシティ」駅徒歩1分に位置、敷地面積4547・17㎡、延床面積3万5271・47㎡、地下2階、地上15階建て、客室数は428室を予定している。設計・施工は竹中工務店。
オリックス不動産は、2010年8月より、オフィシャルホテルとして全600室の「ホテル ユニバーサル ポート(全600室)」を運営している。ホテルのエントランスはじめ、受付ロビーや共用部、レストランや客室などにパークの人気キャラクターを配置した装飾を施すなど、オフィシャルホテルならではのコラボレーションを行っているのが特徴。
「ホテル ユニバーサル ポート ヴィータ」も「ホテル ユニバーサル ポート」と同様にユニバーサル・スタジオ・ジャパンと全面的なコラボレーションを行い、パークと一体となった空間づくりを目指していきたいという。
「変なホテル」都内に初進出
H.I.S.ホテルホールディングス(H.H.H 東京都新宿区)では、ロボットホテルとして人気が高い「変なホテル」を都内に初進出させる。「変なホテル東京 西葛西」(東京都江戸川区)を12月15日にオープンさせた。
同ホテルは東京メトロ東西線「西葛西」駅から徒歩4分に位置し、客室は13・1㎡のスタンダードダブルルーム、15・9㎡のツインルーム、18・7㎡のデラックスツインルームの3タイプで合計100室。
同社は既に「変なホテル」を長崎、舞浜、愛知の3カ所で運営しているが、いずれもテーマパークそばという立地もあり、テーマパークを訪れる利用者に、ホテル宿泊時からエンタテインメント性を感じてもらえる造りにしていた。しかし、新ホテルは、海外からの訪日旅行者を含むレジャー観光客層をコアターゲットとし、受付のロボットはもちろん機能的な最新設備を客室内に導入しているという。また、都心の大手町や日本橋まで電車で約15分という立地から、ビジネス層の利用も期待している。