不動産トピックス
今週の一冊
2017.12.25 17:56
売却・相続・空き家問題・・・知識が何よりも武器になる
不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと
著者 露木裕良
発行日 2016年12月19日
発行所 現代書林
価格 1300円(税別)
「顧客本位の土地売買が普通のことである、健全な不動産業界を取り戻したい」と願う著者は建設業と設計の仕事を約30年展開。ズバリ「不動産を高く売りたい.com」代表。「土地を持たないサラリーマンでも始められる不動産投資」の運営にも携わってきた。
専門家ではない一般の個人が不動産を売る場合は専門の業者に依頼するのが通常ではあるが、果たして個人売主が知るすべのない不動産売買の裏側はどうなっているのか。当初の希望価格より廉価で売買が成立しても、仲介業者のトークによって「満足のいく売買だった」と思わされている売主も多いのではないだろうか。
不動産仲介業者による「囲い込み」や専任媒介契約の危うさ。双方代理のカラクリ。建売業者との癒着の実態等々が記され、売買の当事者はどう対応すべきかが具体的に記されている。よくぞここまで書いてくれた、と溜飲を下げる方も少なくないだろう。が、本書は決して特定の業者を批判するものではなく、現在の不動産業界への危機感を持った著者が「健全な日本の不動産業界を取り戻すということは、顧客の利益になると同時に、まっとうな仕事をしている正しく評価されるということでもある」という信念のもとに書き上げられた一冊である。