不動産トピックス
今週の一冊
2018.03.05 12:47
土地の評価を知らずに大損!?
著者:細江貴之
発行日:2017年9月7日
発行所:総合法令出版
価格:1500円(税別)
不動産を所有しているなら、生前に処分しない限り相続の対象になる。相続人の数が多いほどトラブルになりがち。相続人の間でどう配分されるかがうまく決まったとしても、金銭や有価証券ならきっかり分割できるが、不動産となると話は別だ。日本の土地評価は「一物四価」(いちぶつよんか)と言われ、公示価格、路線価、固定資産税評価額、時価(実税価格)と4種類もの異なった価格があるからだ。それだけではない。土地の「評価減」。形状や環境による評価減と、借地権がついているなどのマイナス要素の評価減だ。相続税の申告でこの評価減を知らずにいると大損することもある。他にも、相続にかかわる以上は知っておくべき知識は予想以上に多いことに驚かされる。名古屋総合税理士法人の代表税理士による本書は「相続とは何か」から相続税評価額の決まり方、不動産売却コストや不動産活用方法、法人化による節税など、入門編から上級者編までが一冊にまとめられた「教科書」だ。不動産相続の生前準備の章では「相続の話は親が健在のうちに。母親を味方につけたいときはお気に入りの子に言わせる」と実に的を絞ったアドバイスもあり苦笑半分、感心半分。