不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2018.03.19 10:35
■浅草橋でホステル「EAST57」を運営するD・フロント(東京都港区)。開業から1年ほどが経過。立地は都営浅草線を通じて羽田空港、成田空港の双方にアクセスできるなど、訪日観光客にとっては利便性の高いエリアとなっている。実際、そのインバウンド需要を狙って多くのホテル開発事業者が用地を取得、開発が続いている。「EAST57」も当初は「訪日観光客」をターゲットにしていたが、1年運営して「当初の予想とは異なる方向に向かっている」と話すのは宿泊マネージャーの櫻井佑哉氏。「先日も日本の高校の吹奏楽部の合宿で宿泊利用されましたが、1フロア貸し切ってグループで泊まることができるため、内外の学校やサークルなどの利用が多くあります」。国外だと韓国の高校生が泊まりにきたこともあるとか。「稼働率は8割ほどで推移している」と話す櫻井氏。運営は順調と言えるが、「こういうことになるとは予想外だった」と苦笑いを浮かべていた。
■幻冬舎より『ブラックリーマンの新築RC一棟不動産投資法』を出版した、不動産投資家の加藤貴行氏。最近までタイに旅行。その合間にはサンフランシスコも訪れていた。その加藤氏、サンフランシスコで驚いたのが「物価の高さ」だ。曰く「1日の食事代で1万円かかり、ホテルに宿泊するのも1泊3万円ほど」だ。米国の企業業績の好調は伝えられるところだが、これほどの高騰は「米国内でも頭一つ抜けている」。なぜなのか。「サンフランシスコはシリコンバレーもあり、米国IT系の大企業が多く立地している。そのため、住んでいる人も富裕層が多い。家賃も、日本では考えにくいが、1年の更新ごとに値上げしています。退去されてもすぐに入居者が見つかり、更に言えば新しい入居者のほうが高い賃料を得られるからです」。改めて経済力の日米格差を感じさせる。
■出張でロサンゼルスを訪れていた山文(東京都三鷹市)代表の小林文蔵氏は、以前から欧米の不動産文化に感銘を受けていたという。今回の訪米で特に印象に残ったのがロサンゼルス郊外の都市・パサデナの高級住宅街。青々とした芝生がひろがるなか、ゆるやかに湾曲した道がはしる。点在する家々はいずれも歴史を感じさせるつくりで、この景色が長い年月を経て醸造されてきたことを思わせる。「こんなところに住めたらいいなと思いながら散策しましたが、日本にはいつかこの家に住みたい、いつかこのビルに入りたいと思うような物件があまりない気がします」と語る小林氏。「歴史と共に価値が増すような物件を、いつかつくりたいですね」。目指すのは、その土地の文化として認められるような、そんな物件という。